タクシー運転手の年収|結論と算出式

この記事の結論

タクシー運転者の年収(年間推計額)の全国平均は450万8,200円(令和7年賃金構造基本統計調査・全国ハイヤー・タクシー連合会集計)。前年から8.7%増え、全産業平均545万5,600円との差は94万7,400円。
都道府県別の最高は東京570万3,500円、次いで大阪479万400円、栃木461万3,100円。最低は石川253万9,800円で、400万円以上は12都道府県、300万円未満は9県。
年齢別では20〜34歳はタクシー運転者のほうが全産業より高く(20〜24歳で122万円の差)、50代で全産業が約140万〜160万円上回ります。
平均年齢56.8歳、平均勤続8.3年、月間労働時間192時間。歩合給が中心のため分布の幅が広く、所定内給与(月額)で見ると上位10%は46万6,000円以上、下位10%は17万4,700円以下です。

この記事の数字は、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」の職種「タクシー運転者」の結果を、一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会(全タク連)が2026年5月に取りまとめ、2026年10月6日に訂正版を公表した「タクシー運転者の賃金・労働時間の現況」から引用しています。本記事は2026年10月の訂正版に基づきます(訂正版では第4表の一部の県名の並びと、グラフ2の指標名が改められました)。都道府県別の47行は訂正版の第4表を転記し、読み取りは2つの方法で照合しました。都道府県別の前年の値と対前年増減だけは、厚生労働省の都道府県別第3表(e-Stat)から本記事が計算しています。

年収の算出式:年間推計額 = 月間給与 × 12 + 年間賞与。「月間給与」は調査実施年の6月分として支給された「きまって支給する現金給与額」(通勤手当・超過労働手当を含む)、「年間賞与」は賞与・期末手当等の特別給与の年額です。厚生労働省の用語定義では、きまって支給する現金給与額は所得税等を控除する前の額なので、ここでの年収はいわゆる額面です。

職種・産業平均年齢平均勤続年数月間労働時間月間給与年間賞与年間推計額対前年比
タクシー運転者56.8歳8.3年192時間359,200円197,800円4,508,200円+8.7%
製造業44.1歳15.3年176時間366,500円1,137,900円5,535,900円+3.5%
建設業45.5歳13.7年176時間396,500円1,163,400円5,921,400円+4.8%
卸・小売業44.3歳14.5年170時間370,300円1,176,500円5,620,100円+3.5%
宿泊・飲食業43.1歳9.6年180時間303,000円389,600円4,025,600円+1.6%
社会福祉・介護46.0歳9.6年166時間290,200円666,100円4,148,500円+2.4%
全産業44.4歳12.7年173時間370,500円1,009,600円5,455,600円+3.5%

表の見方で重要なのは、月間給与はタクシー運転者と全産業でほぼ同じ(35.9万円と37.1万円)なのに、年間賞与が19.8万円と101.0万円で5倍の差がある点です。年収差94.7万円の大半は賞与の差で、月々の手取り感覚とは違う構造になっています。全タク連は、年功賃金の他産業と歩合給中心のタクシーでは賃金分布の構造が違うため「平均賃金のみで単純比較することには留意が必要」としています。

都道府県別タクシー運転者の年収一覧(47都道府県・令和7年調査)

全タク連「第4表 都道府県別タクシー運転者と全産業労働者との労働時間・賃金比較」から、年間推計額・全産業との格差・タクシー運転者の月間労働時間を転記しました。単位は円、格差は「全産業労働者の年間推計額 − タクシー運転者の年間推計額」です。

前年(令和6年)の年間推計額と対前年増減は、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」の都道府県別第3表(令和6年・令和7年、職種「タクシー運転者」、男女計)から、同じ式(きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額)で本記事が計算しました。令和7年の値は47都道府県すべてで第4表と一致します。なお第4表の右側にある「対前年増減」の列は、年収の増減ではなく全産業との格差の増減(令和7年の格差-令和6年の格差。例:東京は1,076,300円-1,421,300円=-345,000円)なので、年収の前年比としては読めません。

都道府県タクシー運転者 年間推計額全産業労働者 年間推計額格差(全産業−タクシー)タクシー運転者 月間労働時間タクシー運転者 前年(令和6年)年間推計額タクシー運転者 年間推計額の対前年増減
北海道4,203,200円4,665,600円462,400円223時間3,274,600円+928,600円
青森3,033,900円4,007,800円973,900円169時間2,119,200円+914,700円
岩手2,799,800円4,265,000円1,465,200円186時間2,937,900円-138,100円
宮城3,346,900円4,993,200円1,646,300円187時間3,007,400円+339,500円
秋田2,987,800円4,263,800円1,276,000円163時間2,641,800円+346,000円
山形3,042,200円4,237,800円1,195,600円189時間2,740,100円+302,100円
福島3,176,600円4,552,100円1,375,500円181時間2,638,800円+537,800円
茨城2,918,400円5,333,900円2,415,500円189時間3,603,600円-685,200円
栃木4,613,100円5,173,500円560,400円196時間3,425,500円+1,187,600円
群馬2,969,000円4,945,200円1,976,200円178時間3,825,000円-856,000円
埼玉4,130,400円5,135,700円1,005,300円177時間4,811,300円-680,900円
千葉4,488,000円5,349,300円861,300円168時間3,340,400円+1,147,600円
東京5,703,500円6,779,800円1,076,300円198時間5,022,500円+681,000円
神奈川4,489,400円5,921,100円1,431,700円201時間4,209,300円+280,100円
山梨3,225,000円5,102,600円1,877,600円151時間3,327,300円-102,300円
新潟3,596,400円4,626,500円1,030,100円191時間2,766,500円+829,900円
富山3,856,500円4,834,100円977,600円187時間3,670,100円+186,400円
石川2,539,800円4,858,000円2,318,200円143時間3,172,400円-632,600円
長野3,629,800円4,916,900円1,287,100円186時間3,235,500円+394,300円
福井4,146,100円4,805,300円659,200円187時間3,961,800円+184,300円
岐阜4,120,200円4,961,100円840,900円181時間3,524,800円+595,400円
静岡3,977,900円5,061,500円1,083,600円208時間3,592,800円+385,100円
愛知4,225,200円5,703,700円1,478,500円177時間4,751,100円-525,900円
三重3,898,800円5,165,800円1,267,000円216時間3,273,500円+625,300円
滋賀3,967,800円5,336,800円1,369,000円211時間3,229,700円+738,100円
京都4,456,600円5,336,600円880,000円208時間3,867,900円+588,700円
大阪4,790,400円5,504,400円714,000円198時間4,573,700円+216,700円
兵庫4,038,900円5,455,200円1,416,300円179時間3,491,200円+547,700円
奈良3,141,800円5,010,400円1,868,600円170時間3,628,100円-486,300円
和歌山3,218,400円4,768,000円1,549,600円182時間3,934,000円-715,600円
鳥取3,146,100円4,295,600円1,149,500円184時間3,274,200円-128,100円
島根3,535,600円4,465,100円929,500円187時間3,175,300円+360,300円
岡山3,666,200円4,839,300円1,173,100円194時間3,625,400円+40,800円
広島3,994,100円5,133,300円1,139,200円189時間3,496,000円+498,100円
山口3,968,400円4,981,700円1,013,300円224時間3,296,500円+671,900円
徳島3,468,400円4,710,600円1,242,200円195時間2,526,000円+942,400円
香川3,700,900円4,982,100円1,281,200円187時間3,471,100円+229,800円
愛媛3,340,900円4,608,500円1,267,600円183時間3,048,200円+292,700円
高知3,275,900円4,310,200円1,034,300円188時間3,063,600円+212,300円
福岡3,834,800円5,003,300円1,168,500円199時間3,684,000円+150,800円
佐賀3,034,000円4,460,500円1,426,500円185時間2,927,100円+106,900円
長崎3,513,100円4,468,000円954,900円184時間3,280,500円+232,600円
熊本2,901,600円4,607,600円1,706,000円168時間3,070,100円-168,500円
大分2,836,800円4,573,200円1,736,400円132時間2,777,700円+59,100円
宮崎2,862,800円4,115,900円1,253,100円182時間2,852,500円+10,300円
鹿児島3,040,500円4,528,900円1,488,400円162時間3,088,100円-47,600円
沖縄2,948,000円4,114,400円1,166,400円159時間3,346,300円-398,300円
全国4,508,200円5,455,600円947,400円192時間4,148,500円+359,700円

全国の対前年増減は、タクシー運転者が+359,700円(+8.7%)、全産業が+185,700円(+3.5%)で、格差は前年の1,121,400円から947,400円に17.4万円縮まりました(第4表の全国行)。都道府県別のタクシー運転者の年間推計額は、34都道府県で前年より増え、13県(岩手・茨城・群馬・埼玉・石川・山梨・愛知・奈良・和歌山・鳥取・熊本・鹿児島・沖縄)で減っています(e-Statの都道府県別第3表から本記事が計算)。各地の求人は地域別の求人ページから都道府県・市ごとに探せます。

年収が高い県・低い県|東京570万円、石川254万円

47都道府県を年間推計額の高い順に並べると、上位は大都市圏に集中し、下位は地方の県が並びます。ただし全タク連の注記にあるとおり、小規模な県は調査対象事業所が非常に少ないため、1年で100万円前後動く県もあります。順位は「その年の調査結果」として読んでください。

順位上位5都道府県年間推計額順位下位5県年間推計額
1東京5,703,500円43熊本2,901,600円
2大阪4,790,400円44宮崎2,862,800円
3栃木4,613,100円45大分2,836,800円
4神奈川4,489,400円46岩手2,799,800円
5千葉4,488,000円47石川2,539,800円

上位:東京は唯一の500万円台、400万円以上は12都道府県

東京は5,703,500円で唯一の500万円台です。月間労働時間は198時間で全国平均(192時間)より6時間長く、全産業の東京平均6,779,800円との差は1,076,300円あります。全タク連は注2で「東京都と地方の賃金額の比較の際には、住居費の支出額に大きな差があることを考慮することが必要」としています。400万円以上は北海道・栃木・埼玉・千葉・東京・神奈川・福井・岐阜・愛知・京都・大阪・兵庫の12都道府県で、三大都市圏とその周辺に加えて北海道・栃木・福井が入ります。栃木は令和6年の3,425,500円から1,187,600円増えて3位に入りました(e-Statの都道府県別第3表から本記事が計算)。1年でこれだけ動く県もあるため、順位は年ごとに入れ替わることがあります。

下位:300万円未満は9県、石川は143時間の短時間勤務

300万円未満は岩手・秋田・茨城・群馬・石川・熊本・大分・宮崎・沖縄の9県です。最下位の石川は2,539,800円ですが月間労働時間が143時間と全国で2番目に短く(最短は大分の132時間)、前年の3,172,400円からは632,600円減っています。大分も132時間で2,836,800円。労働時間が短い県は、年収の低さが「時給の低さ」ではなく「稼働時間の短さ」を反映している可能性があり、時間あたりで比べると順位は入れ替わります。茨城(2,918,400円)と群馬(2,969,000円)は、令和6年はそれぞれ3,603,600円・3,825,000円で、1年で685,200円・856,000円下がって300万円を割りました(前年の値はe-Statの都道府県別第3表から本記事が計算)。

全産業との格差が小さい県・大きい県

「その県で他の仕事に就いた場合との差」を示す格差で見ると、小さいのは北海道(462,400円)、栃木(560,400円)、福井(659,200円)、大阪(714,000円)、岐阜(840,900円)。地元の全産業平均に近い水準で働けることを意味します。大きいのは茨城(2,415,500円)、石川(2,318,200円)、群馬(1,976,200円)、山梨(1,877,600円)、奈良(1,868,600円)で、製造業など他産業の賃金が高い県ほどタクシーとの差が開く構図です。年収だけでなく、どの職種から転職するかによって見え方が変わる点は押さえておきたいところです。

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年齢別の年収|20代〜30代前半は全産業より高い

全タク連の第2表(年齢階級別給与比較)は、タクシー運転者の年収カーブが他産業と根本的に違うことを示しています。全産業は60歳の定年まで右肩上がりで55〜59歳が最高(6,413,500円)ですが、タクシー運転者は20代から60代前半までおおむね450万〜520万円の横ばいです。

年齢階級タクシー運転者 年間推計額全産業労働者 年間推計額差(タクシー−全産業)
20〜24歳4,833,600円3,613,700円+1,219,900円
25〜29歳4,828,700円4,482,000円+346,700円
30〜34歳5,179,200円5,072,800円+106,400円
35〜39歳4,918,700円5,567,100円-648,400円
40〜44歳4,985,500円5,946,800円-961,300円
45〜49歳5,213,100円6,136,200円-923,100円
50〜54歳4,943,100円6,338,500円-1,395,400円
55〜59歳4,813,500円6,413,500円-1,600,000円
60〜64歳4,401,300円5,062,700円-661,400円
65〜69歳3,790,500円4,017,200円-226,700円
70歳以上3,475,900円3,528,500円-52,600円
区分なし(平均)4,508,200円5,455,600円-947,400円

読み取れることは3つです。第一に、20〜34歳はタクシー運転者のほうが高く、20〜24歳では122万円の差があります。全タク連は主要産業との比較でも「20代前半で年間推計額が400万円を超えているのはタクシー運転者のみ」と指摘しています。第二に、35歳以降は年功で上がる他産業に追い抜かれ、55〜59歳で160万円の差になります。第三に、60歳以降は他産業が定年後再雇用で急落するのに対しタクシーは下がり方が緩く、65歳以上では製造業・卸小売業より高くなります。年齢で年収が上がらない代わりに、年齢で下がりにくい職種だといえます。60代の求人は60代・シニア歓迎の求人で探せます。

所定内給与の分布と経験年数|歩合給だから平均だけでは読めない

全タク連のグラフ2は、所定内給与額(月額。6月分のきまって支給する現金給与額から超過労働手当を除いたもの)を低い順に並べたときの分位点ごとに、タクシー運転者が145職種の中で何位に位置するかを示したものです(順位は数値が小さいほど賃金水準が高い)。年収ではなく月額の所定内給与である点に注意してください。

分位点タクシー運転者の所定内給与額(月額)145職種中の順位
第1・十分位数(下位10%)174,700円134位
第1・四分位数(下位25%)212,200円116位
中位数(50%)286,300円79位
第3・四分位数(上位25%)371,400円69位
第9・十分位数(上位10%)466,000円58位

下位10%は134位とほぼ最下位の水準ですが、上位10%は58位と上位4割に入ります。全タク連は訂正版で「所定内賃金額90万円以上層の割合は49位」とし、月額90万円は所定内給与だけを12か月分に換算しても年額1,080万円以上に相当し、これとは別に超過労働給与や賞与が支給される場合もあることから、相当高い賃金を得ている層も一定程度いると記しています。歩合給では最低賃金が保障として機能するにとどまり、売上に応じて賃金が変動するため、年齢にかかわらず最低賃金に近い層が生じる一方で上位は大きく伸びる、という分布になります。年収の平均450万円の裏に、所定内給与が月17万円台の人と月46万円以上の人が同時にいる職種だと理解してください。

経験年数別:1〜4年が418万円で最も高い

グラフ3(経験年数別の順位)では、年間推計額は経験0年で371万円、1〜4年で418万円、5〜9年で407万円、10〜14年で392万円、15年以上で347万円です。注意:この経験年数別の金額は全国平均450.8万円をすべて下回っており、資料側の算出基準が全国平均や都道府県別の年間推計額と異なるとみられます(資料に説明はありません)。金額どうしを比べることはできないため、傾向は145職種中の順位で読んでください。順位は0年が44位、1〜4年が54位と上位3分の1に入りますが、5〜9年で83位、10〜14年で108位、15年以上で139位まで下がります。歩合給には経験年数に応じて段階的に昇給する仕組みが一般的にないため、勤続が長くなるほど年功賃金の職種に相対的に抜かれていく構造です。転職直後から稼げる反面、長く続けても自動的には上がらないことを前提に、売上を伸ばす働き方や勤務形態の選択が年収を決めます。

年収を左右する要素|勤務形態・歩合給・給与保証・制度

統計から見えるのは「地域」「年齢」「分布」までです。実際の年収は、勤務形態と賃金制度、会社の制度によって同じ地域でも大きく変わります。公表資料で確認できる範囲で整理します。

隔日勤務と日勤|改善基準告示の拘束時間

厚生労働省のタクシー・ハイヤー運転者向け「改善基準告示」リーフレット(2024年4月1日適用)によると、日勤は1か月の拘束時間288時間以内・1日13時間以内(上限15時間、14時間超は週3回までが目安)、隔日勤務は1か月262時間以内・2暦日22時間以内かつ2回の隔日勤務を平均して1回あたり21時間以内です。休息期間は日勤が継続11時間以上を基本に9時間を下回らない、隔日勤務が継続24時間以上を基本に22時間を下回らない、と定められています。全タク連は第2表の解説で、高齢層の賃金低下の背景に「売上が高い隔日勤務や深夜勤務から日勤への移行」がある可能性を挙げており、勤務形態が年収に直結することが読み取れます。求人は隔日勤務の求人と日勤のみの求人で絞り込めます。

歩合給の仕組みと累進歩合制度の廃止

全タク連の資料では、タクシーの賃金制度を「B型賃金における最低保証額」「A型及びAB型賃金におけるベースアップ」と表現しており、固定給と歩合の組み合わせ方が会社ごとに違います。令和7年調査で年収が8.7%増えた背景として、最低賃金引上げ(調査期間中の引上げ率5.1%)に加え、「令和4年以降の運賃の引上げやアプリ利用率の増加等を背景とした売上の増加」が挙げられています。なお改善基準告示では、長時間労働やスピード違反を誘発するおそれがあるとして累進歩合制度は廃止とされています。賃金制度の種類(A型・B型・AB型)と歩合率は募集要項では読み取りにくいため、面接で「売上いくらで月給いくらか」を具体例で聞くのが確実です。

給与保証と養成制度

未経験者には一定期間の給与保証を設ける会社があります。公式採用ページで確認できる例として、大和自動車交通は「未経験者は乗務開始後12カ月間は給与保証」と募集要項に記載し、二種免許の取得費用も会社が全額負担としています。日本交通も「二種免許の取得費用は日本交通が全額負担」「入社される方の約8割は入社後に二種免許を取得」と明記しています。保証額・期間・条件は会社と営業所で異なるため、給与保証ありの求人で個別の条件を確認してください。二種免許の費用と取り方は二種免許の費用と取り方で詳しく解説しています。

2024年の制度変更:地理試験廃止・ライドシェア

国土交通省の交通政策審議会自動車部会の中間とりまとめ(2024年5月)によると、コロナ禍で減少した二種免許保有のタクシー運転者を増やすため、大都市部の地理試験が2024年2月の省令改正で廃止され、初任研修の期間要件(10日間)も2024年3月に撤廃されました。2024年4月には日本版ライドシェア(自家用車活用事業)が始まり、タクシー事業者の管理のもとで一般ドライバーが有償運送を行えるようになっています。参入しやすくなった分、売上を伸ばす技術(配車アプリの活用、営業エリアの選び方)が年収差を生みやすくなっているといえます。

この数字の読み方と注意点

統計を読むときの4つの注意

(1) 全タク連の注1:調査対象は59,836事業所だが、タクシー運転者に係る事業所は限られるため、小規模な都道府県は実情が正確に反映されていない可能性がある。(2) 注2:東京と地方の比較では住居費の差を考慮する。(3) 年収は「きまって支給する現金給与額×12+年間賞与」の推計額で、所得税等を控除する前の額。(4) 平均年齢56.8歳の職種の平均であり、20代・30代の実額は年齢別の表(20〜34歳で480万〜520万円)で見る。

また、賃金構造基本統計調査の「タクシー運転者」は雇用されている乗務員(法人タクシー)が対象で、個人タクシー事業者の所得は含まれません。統計の職種「タクシー運転者」(職種番号1612)にはハイヤー運転者・介護タクシー運転者・乗合タクシー運転者も含まれ(厚生労働省「役職及び職種解説」)、ハイヤーや介護タクシーだけの平均はこの表からは切り出せません。役員車・送迎の運転者は別の職種「乗用自動車運転者(タクシー運転者を除く)」です。職種ごとの求人はハイヤー・役員運転手求人、介護タクシー・福祉輸送ドライバー求人で確認してください。

年収を比較するときは、同じ全タク連の資料に載っている「月間労働時間」と組み合わせて時間あたりで見ること、自分の年齢階級の数字で見ること、そして会社の賃金制度(固定給・歩合率・給与保証)を募集要項で確かめることの3点を勧めます。

出典・一次情報

本記事の数字はすべて次の公表資料から転記、または公表値から計算しました(全タク連の資料は2026年10月6日付の訂正版、2026年10月13日閲覧。e-Statの表は2026年10月14日閲覧)。都道府県別の表は訂正版の第4表をテキスト抽出し、各行で「全産業−タクシー=格差」が一致することを機械で確認したうえで、ページ画像との目視照合を行っています。前年(令和6年)の値と対前年増減は、e-Statの都道府県別第3表(令和6年・令和7年)のタクシー運転者の行から計算し、令和7年の計算値が第4表の47都道府県すべてと一致することを確かめています。

  • 一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会「『令和7年賃金構造基本統計調査』によるタクシー運転者の現況」(令和8年5月公表・2026年10月6日付の訂正版【最新版】) taxi-japan.or.jp(PDF):第1表(主要産業比較)、第2表(年齢階級別)、第3表(主要産業との年齢別比較)、第4表(都道府県別)、グラフ2(所定内給与額の階層別順位)、グラフ3(経験年数別順位)
  • 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」一般労働者 都道府県別第3表「都道府県、職種(特掲)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」 令和7年(2026年3月24日公表) e-stat.go.jp/令和6年(2025年3月17日公表) e-stat.go.jp:都道府県別の前年(令和6年)の年間推計額と対前年増減の計算に使用
  • 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」 mhlw.go.jp/「主な用語の定義」 同
  • 厚生労働省「タクシー・ハイヤー運転者の改善基準告示」リーフレット(2024年12月) mhlw.go.jp(PDF)
  • 国土交通省 交通政策審議会陸上交通分科会自動車部会「中間とりまとめ」(令和6年5月15日) mlit.go.jp(PDF)/報道発表「日本版ライドシェアのバージョンアップ」(令和6年6月28日) mlit.go.jp
  • タクシー会社の公式採用ページ:日本交通 タクシー乗務員採用/大和自動車交通 未経験者中途採用 募集要項・採用よくあるご質問