二種免許のAT限定・緩和はいつから|結論
この記事の結論
タクシーに必要な普通二種免許には、すでにAT限定(AT普通第二種免許)があります。令和7年の普通二種の受験者の78.2%がAT限定でした(警察庁「運転免許統計」)。
新しく導入されるのはバス向けの免許で、AT中型二種は2026年(令和8年)4月1日、AT大型二種は2027年(令和9年)10月1日に施行されます(道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令、令和6年内閣府令第60号)。
タクシーに関係する近年の主な緩和は、受験資格特例教習(2022年5月13日)、MT免許の技能試験をAT車中心で行う方式(普通・普通二種は2025年4月1日)、普通二種の教習時限の短縮(2025年9月1日、40時限から29時限、最短3日)です。
「二種免許はAT限定で取れるのか」「緩和されたと聞いたが、いつからなのか」。二種免許の制度はここ数年で何度も改正され、ニュースごとに対象の免許が違うため混乱しやすくなっています。
この記事では、警察庁の公表資料と道路交通法施行規則の条文をもとに、二種免許に関係する改正を施行日順に並べ、タクシーの乗務に必要な普通二種に何が関係するのかを整理します。
二種免許に関係する改正の施行日一覧
| 施行日 | 内容 | 対象 |
|---|---|---|
| 2022年(令和4年)5月13日 | 受験資格特例教習を修了すれば、19歳以上・普通免許等の保有通算1年以上で受験可能に | 第二種免許・大型免許・中型免許 |
| 2024年(令和6年)2月29日 | 東京などのタクシー運転者登録の試験から地理科目を廃止(国土交通省令第15号)。免許の試験ではない | タクシー運転者登録 |
| 2025年(令和7年)4月1日 | MT免許の技能試験・教習を原則AT車で行い、クラッチ操作の項目だけMT普通車で行う方式に | 普通免許・普通二種免許 |
| 2025年(令和7年)9月1日 | 普通二種の最低教習時限を40時限から29時限に、最短教習日数を6日から3日に短縮(令和7年内閣府令第56号) | 普通二種免許(学科は二種共通で19時限から17時限) |
| 2026年(令和8年)4月1日 | AT中型免許・AT準中型免許・AT中型二種免許を導入 | 中型二種免許(マイクロバスなど) |
| 2027年(令和9年)4月1日 | AT大型免許を導入 | 大型免許(一種) |
| 2027年(令和9年)10月1日 | AT大型二種免許を導入 | 大型二種免許(大型バス) |
AT大型免許等の導入とMT免許の試験方法の見直しは、2024年6月26日に公布された「道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令」(令和6年内閣府令第60号)によるもので、警察庁は試験車両の開発・導入に必要な期間を考慮して免許の種類ごとに段階的に施行するとしています。
普通二種のAT限定|タクシーの乗務はAT限定で足りるか
警察庁の通達(令和6年10月21日)は、AT普通第二種免許を「運転することができる普通自動車をAT自動車である普通自動車に限る普通第二種免許」と定義しています。AT限定の普通二種で運転できるのは、クラッチ操作装置のないAT車の普通自動車です。
タクシー会社の募集要項では、日本交通が「全車AT車なので、AT限定免許でも可能です」「普通1種免許取得1年以上(AT限定でも可)」と明記しています。AT限定で応募できるかは会社の車両によるため、応募前に確認してください。
統計でもAT限定が主流です。警察庁「運転免許統計 令和7年版」によると、令和7年の普通二種の受験者55,964人のうちAT限定は43,740人(78.2%)、合格者34,019人のうち27,619人(81.2%)でした。合格率の詳細は二種免許の合格率で解説しています。
AT限定の普通免許しかない人の教習時限
道路交通法施行規則の別表第四(技能教習の時間の基準)では、普通二種の技能教習の時限数が、いま持っている免許によって次のように決まっています(2026年10月時点の条文)。
| 取る免許 | いま持っている免許 | 基本操作及び基本走行 | 応用走行 | 技能教習 計 |
|---|---|---|---|---|
| 普通二種(MT) | 普通免許(MT) | 3時限 | 9時限 | 12時限 |
| 普通二種(MT) | AT普通免許 | 3時限 | 13時限 | 16時限 |
| AT普通二種 | 普通免許またはAT普通免許 | 3時限 | 9時限 | 12時限 |
AT限定の普通免許しか持っていない人がMTの普通二種を取る場合は、技能教習が4時限多くなります。学科教習は普通免許等を持つ人で17時限(学科(一)6時限・学科(二)11時限)です。時限数は最低基準で、技能の修得状況に応じて延長されます。
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求人一覧を見る2025年4月からのMT試験の新しい方式
警察庁は、MT免許の技能試験・技能教習・技能検定を原則としてAT車で行い、クラッチ・ギア操作に係る項目だけをMT普通車で行う方式に改めました。普通免許・普通二種免許は2025年4月1日から、中型・準中型・中型二種は2026年4月1日から、大型は2027年4月1日、大型二種は2027年10月1日からです。施行前から指定を受けている教習所などでは、経過措置により当面の間、従来の方法で教習を行うこともできます。
警察庁の通達では、AT車で行う項目に合格し、MT車で行う項目に合格できなかった人には、受けた免許の種類に応じたAT免許を与えることになると説明されています。MTで受けてクラッチ操作の項目だけ不合格だった場合、AT限定の免許を取ることができ、取得後にMT普通車だけを使う限定解除審査で限定を外す道もあります。
2025年9月の教習時限の短縮|40時限から29時限に
警察庁は、タクシー業界から普通二種の教習期間を短縮してほしいという要望があったことを受け、2024年9月に有識者検討会を設置して実験教習を行い、「教習時限数を40時限から29時限に削減しても現行と同程度の教習効果がある」と判断しました。改正の内容は次のとおりです(令和7年9月1日施行)。
| 区分 | 学科(第1段階) | 学科(第2段階) | 技能(基本走行) | 技能(応用走行) | 合計 | 最短教習日数 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 改正前 | 7時限 | 12時限 | 8時限 | 13時限 | 40時限 | 6日 |
| 改正後 | 6時限 | 11時限 | 3時限 | 9時限 | 29時限 | 3日 |
学科教習は第二種免許で共通のため、大型二種・中型二種を新たに取る場合の学科も19時限から17時限になりました。教習所の料金の例は二種免許の費用と取り方にまとめています。
中型二種・大型二種のAT限定|2026年4月と2027年10月
道路交通法第86条は、旅客を運送する目的で運転する場合に必要な第二種免許を、大型自動車は大型二種、中型・準中型自動車は中型二種、普通自動車は普通二種と定めています。警察庁の資料では、乗車定員10人以下が普通二種、11人以上29人以下が中型二種、30人以上が大型二種の範囲です。一般的なタクシーやハイヤーは普通二種で運転でき、AT中型二種・AT大型二種の導入はマイクロバスや大型バスの運転者に関係する改正です。
なお、大型二種を持つ人は中型・準中型・普通の旅客自動車を、中型二種を持つ人は普通の旅客自動車を、旅客運送の目的で運転できます(道路交通法第86条第2項)。
受験資格の緩和|19歳・免許歴1年から
第二種免許の受験資格は、原則として21歳以上・普通免許等の保有期間が通算3年以上です。2022年5月13日からは、受験資格特例教習を修了すれば19歳以上・保有期間通算1年以上で受験できます。年齢要件の特例を受けるための教習は7時限以上、経験年数要件の特例を受けるための教習は29時限以上で、特例で取った場合は21歳になるまで若年運転者期間となります。詳しくは二種免許は19歳から取れる(特例教習)で解説しています。
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出典・一次情報
本記事の内容は次の公表資料に基づいています(いずれも2026年10月閲覧)。
- 警察庁「AT大型免許等の導入及びMT免許の技能試験等の方法の見直しについて」 npa.go.jp/概要資料 npa.go.jp(PDF)/通達「道路交通法施行規則等の改正に伴う運用上の留意事項について」(令和6年10月21日、警察庁丁運発第214号) npa.go.jp(PDF)
- 警察庁「普通第二種免許に係る教習カリキュラムの見直しについて」 npa.go.jp/別添(令和7年内閣府令第56号の概要) npa.go.jp(PDF)
- 警察庁「第二種免許等の受験資格の見直しについて(令和4年5月13日)」 npa.go.jp
- 警察庁「運転免許統計 令和7年版」(2026年6月24日掲載) npa.go.jp(PDF)
- 道路交通法 第86条 e-Gov法令検索/道路交通法施行規則 別表第四 e-Gov法令検索
- 東京タクシーセンター「地理試験について」 tokyo-tc.or.jp
- 日本交通 タクシー乗務員 募集要項 nihon-kotsu-recruit.jp
手続きの確認について
試験場でAT車を使った試験がいつから受けられるかは、試験車両の導入状況によって都道府県ごとに違う場合があります。受験する都道府県の警察(運転免許試験場)の案内で確認してください。



