普通二種の学科免除|結論

この記事の結論

普通二種の学科試験が免除されるのは、主に「種類の違う第二種免許を現に持っている人」です(道路交通法施行令第34条の5第2号イ)。具体的には大型特殊二種や牽引二種を持つ人が該当します。
普通免許など第一種免許しか持っていない人は、普通二種の学科試験は免除されません。
大型二種・中型二種を持っている人は、そもそも普通二種を取らなくても、普通自動車のタクシーを旅客運送の目的で運転できます(道路交通法第86条第2項)。
このほか、同じ免許の学科試験に合格した人はその日から6か月間、学科試験が免除されます。令和7年に普通二種で「学科試験免除で技能試験を受けて合格」した人は333人でした(警察庁「運転免許統計」)。

「普通二種の学科試験は免除できるのか」は、ほかの免許を持っている人や、技能試験だけ落ちた人がよく調べる疑問です。免除のルールは道路交通法と道路交通法施行令に決まっていますが、条文が入り組んでいるため、何を持っていれば何が免除されるのかが分かりにくくなっています。

この記事では、e-Gov法令検索で確認した条文と警察庁の統計をもとに、普通二種の試験で学科が免除される場合・されない場合、指定自動車教習所に通う場合の学科教習の時限数を整理します。学科試験そのものの出題内容は扱いません。

学科試験が免除される場合|道路交通法施行令第34条の5

道路交通法第97条の2第4項は、公安委員会が政令で定める基準に従い、運転免許試験の一部を免除できるとしています。その基準が道路交通法施行令第34条の5で、第二種免許を受けようとする人については第2号に次の3つが定められています。

条文該当する人免除される試験
第2号イ受けようとする免許の種類と異なる種類の第二種免許を現に受けている者学科試験
第2号ロ特定失効者または特定取消処分者で、受けようとする免許で運転できる自動車を運転できる他の種類の第二種免許を受けていた者技能試験及び学科試験
第2号ハ受けようとする免許の種類と異なる種類の第二種免許の学科試験で基準に達する成績を得て、その日から6月を経過していない者学科試験

さらに同条第6号は、試験を受けて技能試験または学科試験のどちらかで基準に達する成績を得た人は、その日から6か月間、その成績を得た試験を免除すると定めています。普通二種の学科試験に合格して技能試験に落ちた人は、6か月以内なら学科試験を受け直さずに技能試験から再挑戦できる、ということです。

教習所の卒業者は「技能試験」が免除される

指定自動車教習所の卒業証明書を持つ人は、技能検定を受けた日から1年以内であれば技能試験が免除されます(道路交通法第97条の2第1項第2号)。教習所を卒業した人が試験場で受けるのは学科試験と適性試験で、学科試験は免除されない点を混同しないようにしてください。

第一種免許だけでは学科は免除されない

施行令第34条の5第1号イは、「受けようとする免許の種類と異なる種類の第一種運転免許又は第二種運転免許を現に受けている者」の学科試験を免除すると定めていますが、これは第一種免許を受けようとする人についての規定です。たとえば普通免許を持つ人が大型特殊免許(一種)を取るときは学科試験が免除されますが、普通免許を持つ人が普通二種を取るときは、第2号に第一種免許を理由にした学科免除の規定がないため、学科試験を受ける必要があります。

タクシー運転手を目指す人の多くは普通免許(一種)から普通二種を取るため、学科試験は免除されないのが原則です。

タクシー運転手の求人をチェック

求人一覧を見る

大型二種・中型二種を持っていれば普通二種は不要

道路交通法第86条第2項は、第二種免許を受けた人について、大型二種なら旅客自動車である中型・準中型・普通自動車を、中型二種なら旅客自動車である普通自動車を、旅客運送の目的で運転できると定めています。

持っている第二種免許普通自動車のタクシーの乗務普通二種の取得
大型二種できる不要
中型二種できる不要
大型特殊二種・牽引二種できない必要(学科試験は免除)
第一種免許のみできない必要(学科試験も受ける)

バスの運転経験がある人がタクシーに移る場合、大型二種や中型二種があれば普通二種を新たに取る必要はありません。ただし運転できる車の範囲はAT限定などの条件にも左右されます。AT限定の条件と施行日は二種免許のAT限定と緩和はいつからで確認してください。

教習所に通う場合の学科教習の時限数

指定自動車教習所の教習時間の基準は、道路交通法施行規則の別表第四で、いま持っている免許ごとに決まっています。普通二種の学科教習は次のとおりです(2026年10月時点の条文、1時限50分)。

いま持っている免許学科(一)学科(二)学科教習 計
大型・中型・準中型・普通免許(一種)6時限11時限17時限
大型特殊免許(一種)のみ7時限13時限20時限
大型特殊二種または牽引二種1時限8時限9時限

大型特殊二種・牽引二種を持つ人は学科教習が大きく短くなります。別表第四の備考では、普通免許などと大型特殊二種・牽引二種の両方を持つ人は、学科(二)がさらに1時限少なくなるとされています。学科(二)には応急救護処置の教習が含まれ、医師など一定の資格を持つ人は応急救護処置の教習が免除されます(同備考)。教習時限は2025年9月1日の改正で短縮されたもので、改正前後の比較は施行日の一覧にまとめています。

統計で見る学科免除の合格者

警察庁「運転免許統計 令和7年版」の運転免許試験合格者の内訳には、「学科試験免除で技能試験を受けて合格」した人の数が載っています。他の第二種免許を持っていることによる免除のほか、学科試験に合格して6か月以内に技能試験に合格した人などがここに入ると考えられますが、統計上の内訳はありません。

第二種免許の種類学科試験免除で技能試験を受けて合格学科試験及び技能試験を受けて合格指定自動車教習所の卒業者
大型二種228人165人9,609人
中型二種24人14人572人
普通二種333人1,058人32,348人
うちAT普通二種260人758人26,417人
大型特殊二種283人79人-
牽引二種273人14人-

大型特殊二種と牽引二種は、合格者の大半が学科免除で技能試験を受けた人です。普通二種では学科免除の合格者は全体(34,018人)の約1%にとどまり、ほとんどの人は教習所を卒業して学科試験を受けています。合格率の全体像は二種免許の合格率で解説しています。

学科免除で受験するときの注意

  • 期限を確認する:学科試験の合格成績による免除は、その試験を受けた日から6か月です。教習所の卒業証明書による技能試験の免除は、技能検定を受けた日から1年です。
  • 免許証を持参する:他の第二種免許による免除は「現に受けている」ことが条件です。失効している場合は第2号ロ(特定失効者)の扱いになるかを確認します。
  • 手数料と取得時講習:二種免許の取得には試験手数料のほか、取得時講習の受講などの手続きがあります。具体的な金額と流れは受験する都道府県の警察(運転免許試験場)の案内で確認してください。一発試験の流れは二種免許の一発試験にまとめています。

二種免許を会社負担で取れる求人は二種免許養成ありの求人、普通二種を持っている人向けは普通二種を活かせる求人から探せます。

出典・一次情報

本記事の内容は次の法令と公表資料に基づいています(いずれも2026年10月閲覧)。

  • 道路交通法 第86条(第二種免許)・第97条の2(運転免許試験の免除) e-Gov法令検索
  • 道路交通法施行令 第34条の5 e-Gov法令検索
  • 道路交通法施行規則 別表第四(教習時間の基準) e-Gov法令検索
  • 警察庁「運転免許統計 令和7年版」(2026年6月24日掲載):運転免許試験合格者の内訳 npa.go.jp(PDF)
  • 警察庁「普通第二種免許に係る教習カリキュラムの見直しについて」 npa.go.jp

条文の扱いについて

条文は閲覧時点のe-Gov法令検索の内容を要約したものです。個別の事情で免除の対象になるかどうかは、受験する都道府県の運転免許試験場で確認してください。