二種免許の学科試験|結論
この記事の結論
二種免許の学科試験は文章問題90問(1問1点)とイラスト問題5問(1問2点)の100点満点で、90点以上が合格です。
警察庁の「学科試験出題基準」では、二種の文章問題90問のうち20問が教則第9章「旅客自動車や代行運転自動車の運転者などの心得」から、30問が第5章「自動車や一般原動機付自転車の運転の方法」から出ます。二輪車の章(第8章)は二種では出題されません。
イラスト問題は1問に3つの設問があり、3つとも正解した場合だけ2点になります。
指定教習所では、普通免許を持っている人は学科教習を17時限(第1段階6時限・第2段階11時限、うち応急救護処置6時限)受けてから、試験場で学科試験を受けます。警視庁では二種の学科試験を20言語でも受験できます。
二種免許(第二種運転免許)は、指定教習所を卒業しても技能試験が免除されるだけで、学科試験は運転免許試験場で受ける必要があります。タクシー会社の養成制度で教習所に通う場合も同じです。
この記事では、警察庁の通達「学科試験の出題形式、出題範囲及び出題基準等について」と国家公安委員会の「交通の方法に関する教則」、道路交通法施行規則、警視庁の受験案内という一次情報だけを使い、二種の学科試験で何がどれだけ出るのか、教習所の学科17時限で何を学ぶのかを整理します。合格のコツや体験談のような確認できない情報は載せていません。費用や取り方の全体像は二種免許の費用と取り方にまとめています。
試験の形式と配点|文章90問・イラスト5問で100点
道路交通法施行規則第25条は、学科試験を「択一式又は正誤式の筆記試験又は電子計算機その他の機器を使用して行う試験」とし、合格基準を「90パーセント以上の成績」と定めています。問題数や配点の細かい決まりは、警察庁が都道府県警察に出している通達(令和5年3月30日付け丁運発第46号)にあります。
| 項目 | 二種免許(普通二種・中型二種・大型二種で共通) |
|---|---|
| 文章問題 | 90問。正誤式(正しいか誤りかを答える)。1問1点 |
| イラスト問題 | 5問。1問につき3つの設問(三肢)に正誤で答える。1問2点で、3つとも正しい場合だけ得点 |
| 満点 | 100点 |
| 試験時間 | 50分 |
| 合格基準 | 90%以上(90点以上) |
| 出題範囲 | 国家公安委員会が作成する「交通の方法に関する教則」 |
イラスト問題は、通達で「イラストを使用し、実際の交通場面から危険を認知して必要な判断を行う能力を判定する問題」とされています。5問で10点分あり、1つの設問を間違えるとその問題の2点がまるごと得られません。イラスト問題を2問落とすと残りは90点で、文章問題を1問でも間違えると不合格になる計算です。
形式は第一種免許(普通免許など)と同じ95問・50分・90%ですが、出題される章の比重が違います。次の章で比べます。
出題範囲|教則の章ごとの出題数(二種と普通免許の比較)
警察庁通達の別添「学科試験出題基準」には、教則の章ごとに何問出すかが免許の区分別に決められています。二種と、普通免許などの第一種(表中「普通等」)を並べると次のとおりです。
| 教則の章 | 二種 | 普通等 |
|---|---|---|
| 第1章 歩行者と運転者に共通の心得(信号・標識・標示、警察官の指示など) | 13問 | 12問 |
| 第4章 運転する前の心得(運転免許の仕組み、点検、乗車と積載など) | 6問 | 11問 |
| 第5章 運転の方法(発進、通行区分、歩行者の保護、速度と車間距離、追越し、交差点、駐車と停車など) | 30問 | 35問 |
| 第6章 危険な場所などでの運転(踏切、坂道・カーブ、夜間、悪天候、緊急時) | 9問 | 10問 |
| 第7章 高速道路での走行 | 8問 | 7問 |
| 第8章 二輪車の運転の方法 | 出題なし | 11問 |
| 第9章 旅客自動車や代行運転自動車の運転者などの心得 | 20問 | 出題なし |
| 第10章 交通事故、故障、災害などのとき | 3問 | 3問 |
| 第11章 自動車所有者などの心得 | 1問 | 1問 |
| イラスト問題(危険の予測。各章の内容を横断) | 5問(10点) | 5問(10点) |
| 合計(配点) | 100点 | 100点 |
二種の文章問題は、普通免許で11問出ていた二輪車の章がなくなり、その分を含めて旅客自動車の章に20問が割り当てられています。第9章だけで100点中20点分あるため、普通免許の知識だけで受けると合格点に届きにくい構成です。
第9章「旅客自動車や代行運転自動車の運転者などの心得」に書かれていること
警察庁が公開している教則の本文では、第9章は「1 旅客など利用客の保護」と「2 その他の心得」の2つに分かれています。タクシーに関係する主な事柄は次のとおりです。
- 常に旅客の安全を考えて慎重に運転し、急ブレーキや急発進を避ける。悪路で揺れるときは事前に声を掛けて注意を促す。
- 病気や疲れで安全運転ができないおそれがあるときは事業者に申し出る。重大な故障を発見したときや重大な事故のおそれがあるときは直ちに運転を中止する。
- 坂道で車から離れるときや危険な場所を通過するときは旅客を降ろす。踏切内で動けなくなったときは旅客を誘導して退避させ、発炎筒などで列車に合図する。
- 業務を交代するときは道路や車の状況を申し継ぎ、申し継ぎを受けた運転者はハンドル・ブレーキなどの機能を点検する。
- 乗降口のドアは停車を確認してから開き、確実に閉めてから発車する。事故のときは応急救護処置や遺留品の保管など負傷者の保護に当たる。
- タクシーの運転者は、食事・休憩・回送で旅客を乗せられないときは回送板を掲示する。乗務距離の最高限度が定められている場合はそれを守る。
- 旅客自動車の乗務員は旅客のいる車内で喫煙しない。運転者は1日1回、運行の開始前に日常点検を実施または確認し、事業者に結果を報告する。
このほかバスの車掌や室内灯、代行運転自動車標識などの事柄も同じ章に含まれます。なお、教則は2026年4月1日にも改正されていますが、警察庁の通達によると主な改正事項は自転車の右側を通過する場合の決まり(第3章・第5章)で、第9章は対象になっていません。
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求人一覧を見る教習所の学科教習17時限|何を学ぶか
指定教習所の学科教習の時限数は、道路交通法施行規則の別表第四で決められています。普通二種を受ける人が大型・中型・準中型・普通免許のいずれかを持っている場合、学科教習は次のとおりです(1時限50分)。
| 区分 | 時限数 | 主な内容(指定自動車教習所等の教習の基準の細目に関する規則 別表第六) |
|---|---|---|
| 学科(一)=第1段階 | 6時限 | 応用走行(路上教習など)に必要な知識。旅客自動車の運転操作や走行に関する事項と、身体障害者・高齢者などが旅客である場合の安全な運転(この項目に1時限) |
| 学科(二)=第2段階 | 11時限 | 旅客自動車の運転に係る危険の予測(この項目に1時限)、応急救護処置(6時限)、旅客自動車の運転に必要な適性の自覚、旅客自動車の交通事故の実態の理解など |
| 合計 | 17時限 | 大型特殊免許だけを持つ人は20時限など、持っている免許によって変わる |
学科(二)は技能教習の基本操作・基本走行(第1段階)を終えた人にしか行えないと施行規則で決められています。応急救護処置の教習は、気道確保・人工呼吸・心臓マッサージなどの実技ができる「模擬人体装置」による実技訓練を含めることが義務づけられています。
警察庁によると、2025年9月1日の改正で二種の学科教習は19時限(第1段階7・第2段階12)から17時限(6・11)に減りました。学科教習は二種で共通の内容のため、大型二種・中型二種を新たに取る場合も17時限になっています。教習期間全体の組み立ては二種免許の教習所の期間で解説しています。
試験場での受験手順|教習所を卒業した人の場合(東京の例)
教習所を卒業すると「卒業証明書」が交付され、これを持って住所地の運転免許試験場で適性試験と学科試験を受けます。警視庁の案内(指定教習所を卒業された方)による東京都の手順は次のとおりです。
| 項目 | 警視庁の案内 |
|---|---|
| 受験場所 | 府中・鮫洲・江東の各運転免許試験場 |
| 受験日 | 平日のみ(土日・祝休日・12月29日から1月3日は休み) |
| 予約 | 学科試験は原則予約制。WEB予約サイトで来場予約をし、予約完了時のQRコードか受付番号を持参 |
| 集合時間 | 午前受験は午前8時、午後受験は午前11時 |
| 手数料 | 4,150円(受験料1,800円、免許証交付料2,350円)。再試験はそのたびに受験料 |
| 必要なもの | 運転免許証、申請用写真(縦3cm×横2.4cm)、卒業証明書(他の道府県の卒業証明書でも都内在住なら受験可)、特例教習を修了した人は修了証明書 |
卒業証明書の有効期間は1年です。警視庁は予約の案内で、対象を「指定教習所の卒業証明書又は検査合格証明書(いずれも卒業や証明の日から1年以内)をお持ちの方」としています。1年を過ぎると技能試験の免除が受けられなくなるため、卒業後は早めに受験の予約を取ってください。
視力(両眼0.8以上かつ一眼0.5以上)と深視力(三桿法で3回の平均誤差2センチメートル以下)の適性試験も同じ日に受けます。深視力の基準と検査の仕組みは深視力検査の記事、年齢や経歴などの受験資格は二種免許の受験資格にまとめています。教習所に通わず試験場で技能試験まで受ける場合の流れは二種免許の一発試験を参照してください。
外国語での受験|二種の学科試験は20言語
警察庁は2024年5月13日の通達で、二種を含む学科試験の問題例を20言語で都道府県警察に配布済みであるとし、外国語による学科試験の導入拡大を求めました。対象の20言語は、英語、スペイン語、ペルシャ語、韓国語、中国語、ポルトガル語、ロシア語、タイ語、タガログ語、ベトナム語、インドネシア語、クメール語、ネパール語、ミャンマー語、モンゴル語、ウクライナ語、シンハラ語、ウルドゥー語、アラビア語、ヒンディー語です。
| 言語 | 警視庁で二種の学科試験を受けられる試験場と日 |
|---|---|
| 英語・中国語・ベトナム語・ネパール語・ミャンマー語 | 府中・鮫洲・江東(いずれも平日) |
| その他の15言語 | 府中は毎週火曜、鮫洲は毎週水曜、江東は毎週木曜 |
広島県警察も、第一種・第二種・仮免許の学科試験で同じ20言語の問題を準備していると案内しています。受けられる言語や日程は都道府県ごとに違うため、受験する試験場の案内で確認してください。外国籍の人がタクシー運転者として働く場合の在留資格の考え方は外国人タクシー運転手の記事で扱っています。
出題基準から分かる準備の優先順位
出題基準の配分をそのまま読むと、二種の学科試験の準備は次の順に比重が大きくなります。
- 第5章 運転の方法(30問):交差点の通り方、駐車と停車、追越しなど。普通免許と共通の範囲で、問題数が最も多い章です。
- 第9章 旅客自動車の運転者などの心得(20問):二種だけの範囲。上で挙げた事柄が教則の本文です。
- 第1章 共通の心得(13問):信号、標識・標示。
- イラスト問題(10点):危険の予測。3つの設問すべてに正解しないと得点にならない点に注意が必要です。
- 第6章(9問)・第7章 高速道路(8問)・第4章(6問):夜間、悪天候、高速道路の走行など。
教習所の学科教習では、学科(一)で高齢者や身体障害者が旅客である場合の運転、学科(二)で旅客自動車の危険予測が扱われます。教習で使う教本と、警察庁が公開している教則の第9章を合わせて読んでおくと、出題範囲を漏れなく確認できます。
タクシー会社の養成制度を使うと、教習所の費用を会社が負担し、研修の一部として学科試験の準備をする形が一般的です。制度の内容は二種免許の養成制度、養成制度のある求人は二種免許養成制度ありの求人、すでに二種を持っている人向けの求人は普通二種免許を活かせる求人から探せます。
出典・一次情報
本記事の制度と数字は、次の公表資料に基づいています(いずれも2026年10月14日閲覧)。
- 警察庁「学科試験の出題形式、出題範囲及び出題基準等について(通達)」令和5年3月30日 丁運発第46号(別添 学科試験出題基準) npa.go.jp(PDF)
- 国家公安委員会「交通の方法に関する教則」(昭和53年国家公安委員会告示第3号)警察庁公開の本文 npa.go.jp(PDF)/警察庁「交通の方法に関する教則の一部改正について」令和8年4月14日 npa.go.jp(PDF)
- 道路交通法施行規則(第25条、第33条、別表第四) e-Gov法令検索/指定自動車教習所等の教習の基準の細目に関する規則(第1条・第2条、別表第六) e-Gov法令検索
- 警察庁「普通第二種免許に係る教習カリキュラムの見直しについて」 npa.go.jp・別添(令和7年9月1日施行) PDF
- 警察庁「外国語による学科試験等の実施の拡大を始めとする外国人が円滑に運転免許を取得できる環境の整備について(通達)」令和6年5月13日 npa.go.jp(PDF)
- 警視庁「大型二種・中型二種・普通二種免許試験(指定教習所を卒業された方)」 keishicho.metro.tokyo.lg.jp/「外国語により受験できる学科試験について」 同/運転免許手続の予約に関するお知らせ 同
- 広島県警察「運転免許試験の種類・学科試験・技能試験」 pref.hiroshima.lg.jp
合格率について
普通二種の学科試験だけの合格率(教習所卒業者が試験場で受けた学科試験の合格率)は、警察庁の運転免許統計で公表されていません。手数料・受験日・予約方法は都道府県ごとに異なるため、受験する試験場の最新の案内を確認してください。



