タクシー運転手の年間休日|結論

この記事の結論

タクシーの求人の「年間休日」は、隔日勤務の明け休を含めた数字か、含めない公休だけの数字かで大きく変わります。
日の丸交通は月11乗務の場合の年間休日を「233日(明け休含む)」、MKタクシー京都は隔日勤務を「明休も含め年間休日230日」と公表しています。一方、国際自動車は「月7~9日(明け休みを除く日数)」、帝都自動車交通は「公休日(8日~9日/月)」と、明け休を除いた日数で書いています。
厚生労働省の改善基準告示では、明け休は勤務と勤務の間の「休息期間」で、「休日」は休息期間に24時間を加えた連続した時間(隔日勤務は継続46時間以上)と定義されており、両者は別のものです。
全産業の年間休日総数は1企業平均112.4日(厚生労働省「令和7年就労条件総合調査」)で、比べるときは明け休を除いた公休の日数とそろえる必要があります。

タクシーの求人を見比べると、「年間休日233日」という目を引く数字もあれば、「休日 月6〜7日」という控えめな数字もあります。どちらが多いのかは、書き方の前提をそろえないと判断できません。

この記事では、厚生労働省の改善基準告示のパンフレット、労働基準法、厚生労働省の統計、各社の公式採用ページだけを使い、タクシーの年間休日の読み方を整理します。隔日勤務の拘束時間のルールはタクシーの隔日勤務とはで詳しく解説しています。

「明け休」「公休」「休日」の違い

隔日勤務では、1回の乗務で2労働日分を働き、乗務が終わった日はそのまま休みになります。この日が「明け休」(明番、明け)です。これとは別に、丸一日休む「公休」があります。用語と根拠を整理すると次のとおりです。

用語意味根拠・定義
明け休(明番)隔日勤務の乗務が終わった日の休み。日本交通(東京)は「勤務日の『明け』の休日」、国際自動車は「翌日の乗務の為の休養」と説明改善基準告示では勤務終了後の「休息期間」にあたる。隔日勤務の休息期間は継続24時間を基本とし、22時間を下回らない
公休明け休とは別の、丸一日の休み。日本交通(東京)は「明番とは別の休日」と説明会社の就業規則で定める休日
休日(改善基準告示)休息期間に24時間を加えた連続した時間日勤は継続33時間、隔日勤務は継続46時間を下回らない。いかなる場合も30時間を下回ってはならない
法定休日毎週少なくとも1回、または4週間を通じて4日以上労働基準法第35条

つまり明け休は、制度上は休日ではなく「次の勤務までの休息」です。ただし実際には、乗務が深夜や早朝に終わればその日の残りは自由に使えるため、会社は明け休も含めた「自分の時間」として紹介することが多いのです。大和自動車交通は「明け休を合わせると、月に18~19日分を自分の時間に充てることが可能」と書いています。

各社の休日の公表例|含むか含まないかで分けて比較

タクシー乗務員の募集要項・採用ページに書かれた休日を、明け休の扱いがわかるように並べました(2026年10月閲覧)。

会社(地域)公表どおりの記載明け休の扱い
日の丸交通(東京)年間休日233日(月11乗務の場合)。公休 月8〜9日(月1〜2回は3〜5連休あり)。「月19日の休日」とも記載年間休日233日は「明け休含む」と明記
MKタクシー京都隔日勤務は「明休も含め年間休日230日」。昼勤・夜勤は週休2日(月8日)のシフト制230日は明休を含む
国際自動車(東京)日勤・隔日勤とも月7〜9日。3連休を月に2回取得可能「明け休みを除く日数」と明記
大和自動車交通(東京)月6〜7日休み(明け休12〜13日)明け休を別に記載
帝都自動車交通(東京)公休日 8日〜9日/月。年次有給休暇20日(入社初年度は10日)公休のみの記載。新卒向けには「明番を含めて週休2日相当」と説明
日本交通(大阪)月6〜8日。明け休みが月11〜12日あると説明明け休を別に記載
グリーンキャブ(東京)月6〜7日(シフト制による)公休のみの記載
阪急タクシー(大阪・兵庫・京都)年間52日の公休日のほか、24日の特定・特別休日、お盆時の休日、年次有給休暇など隔日勤務は「1週間3勤1休」。非番は公休とは別
名鉄タクシー(名古屋)昼勤務の休みはシフト制または日曜日と月曜日または祝日休みで月6〜9日昼勤務の記載

同じ「月8日前後」の公休でも、日の丸交通のように明け休を足して「年間233日」と書く会社と、国際自動車のように「明け休みを除く」と断って月7〜9日と書く会社があります。求人を比べるときは、明け休を含むかどうかを最初に確認してください。

タクシー運転手の求人をチェック

求人一覧を見る

月の乗務回数から年間休日を計算する

隔日勤務では、1乗務につき明け休が1日つくため、1年間(365日)の内訳は「乗務日+明け休+公休」になります。月の乗務回数から計算した例です(祝日や有給休暇は考慮しない単純計算)。

月の乗務回数年間の乗務日年間の明け休年間の公休明け休を含む休み
11回132日132日101日233日
12回144日144日77日221日
13回156日156日53日209日

月11乗務の「明け休を含む休み」233日は、日の丸交通が公表する年間休日233日と一致します。MKタクシー京都の230日は、年135乗務(月平均11.25回)にあたる計算です。一方、公休だけを見ると、月11乗務でも年101日で、月12乗務なら77日、月13乗務なら53日まで減ります。乗務回数を増やせば収入は増えますが、そのぶん公休が減る関係です。

日勤の場合は明け休がないため、月22日出勤なら年間の休みは365日-264日=101日、月24回出勤なら77日(同じく単純計算)です。国際自動車は日勤・隔日勤とも休日を月7〜9日としており、勤務形態が違っても公休の日数はそろえて設計されていることがわかります。

全産業と比べると|年間休日112.4日・有給取得率65.3%

厚生労働省「令和7年就労条件総合調査」によると、2024年1年間の年間休日総数は1企業平均112.4日、労働者1人平均116.6日で、いずれも1985年以降で最も多くなりました。企業規模別では1,000人以上が117.7日、30〜99人が111.2日です。

この数字と比べるなら、タクシーは明け休を除いた公休でそろえるのが妥当です。月8日の公休なら年96日、月9日なら年108日で、全産業平均より少なめになります。ただし隔日勤務は明け休が別にあり、出勤回数そのものは日勤の約半分です。休みの「日数」と、自由に使える「時間」は分けて考える必要があります。

項目(令和7年就労条件総合調査)全産業運輸業,郵便業
年次有給休暇の労働者1人平均付与日数18.1日17.4日
同 取得日数12.1日11.4日
同 取得率66.9%65.3%

会社単位で有給休暇の取得率を公表している例として、日の丸交通は90.0%(2024年度)、日本交通(大阪)は92%と記載しています。年次有給休暇は、雇い入れから6か月継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に10日付与されます(労働基準法第39条)。

連休の取りやすさ|公表されている例

隔日勤務は、明け休と公休が続くと連休になります。各社の公表例では、国際自動車が「3連休を月に2回取得することも可能」、日の丸交通が「月1〜2回は3〜5連休あり」(新卒募集要項は3〜4連休)、日本交通(大阪)が「勤務パターンによっては3連休」、日本交通(東京)が「シフト制なので連休も取れる」と書いています。帝都自動車交通の新卒向けページは「1年分の出勤表が配布されているので、長期的な予定が立てやすい」という乗務員の回答を紹介しています。

阪急タクシーは隔日勤務について「終業から次の仕事まで30時間」「非番と公休を含めると、次の仕事まで54時間」と、休みを時間で示しています。改善基準告示の隔日勤務の休日の下限(継続46時間)と比べると、休みの長さの目安になります。

求人の休日欄で確認したいこと

  1. 明け休を含むか:「年間休日○日」が明け休込みか、公休だけか。
  2. 何乗務の場合の数字か:月11乗務と13乗務では公休が年48日違う。
  3. 公休の月の日数と連休:月何日か、連休はどのくらいの頻度で取れるか。
  4. 有給休暇:初年度の付与日数と取得率。
  5. シフトの決まり方:年間の出勤表か、月ごとか。勤務日の変更の申請期限。

勤務形態から求人を探すなら隔日勤務の求人、日勤のみの求人が使えます。会社別には日の丸交通、国際自動車、大和自動車交通、MKタクシー、阪急タクシーの求人ページがあります。勤務形態の違いはタクシーの夜勤と日勤の違いもご覧ください。

出典・一次情報

本記事の制度と数字は、次の公表資料に基づいています(いずれも2026年10月閲覧)。

計算について

乗務回数から求めた年間の日数は、365日を前提にした単純計算です。実際の休日は会社の年間カレンダー、祝日の扱い、有給休暇の取得で変わります。各社の休日は閲覧日時点の公表内容です。