横浜のタクシー会社比較|結論

この記事の結論

横浜市内に営業所を持つタクシー会社4社は、いずれも公式募集要項で二種免許の取得費用の会社負担と未経験者の給与保障を公表していますが、保障の期間は3か月から最長2年まで大きく違います。
隔日勤務の保障は、横浜交通が研修後1年間月32万円、三和交通が6か月間月給35万円以上、神奈中タクシーが未経験6か月間・最大35万円、第一交通が研修終了後3か月間・最大30万円です。
関東運輸局の統計では、横浜市を含む京浜交通圏の法人タクシーは107事業者・6,562両(令和7年3月31日現在)で、1日1車あたりの運送収入は令和6年度46,488円と東京23区など(61,476円)より低く、会社の保障や配車の仕組みの違いが収入の安定に効きやすい地域です。
比べるときは、保障の期間・金額・条件と、1乗務の時間・月の乗務回数を同じ物差しにそろえて見るのが確実です。

横浜は東京に隣接し、横浜駅・新横浜駅・みなとみらいなど需要の多い地点を抱える一方、営業区域や運賃は東京とは別に定められています。求人サイトでは「月収〇〇万円」の見出しが目立ちますが、実際の差は保障の期間や勤務の組み方に出ます。

この記事では、横浜市内に営業所があり、公式の採用ページで給与保障・勤務形態・二種免許の取得支援・応募資格を確認できた4社の公表条件を並べました。順位は付けていません。並べ方は会社名の五十音順です。口コミや求人サイトの要約は使っていません。

横浜のタクシー市場|京浜交通圏の事業者数と1日の運送収入

横浜市のタクシーは、関東運輸局の区分で京浜交通圏(横浜市・川崎市・横須賀市・三浦市)に属します。東京23区・武蔵野市・三鷹市の特別区・武三交通圏とは別の営業区域として、事業者数や輸送実績も別に集計されています。

関東運輸局の統計(事業者数・車両数は令和7年3月31日現在、輸送実績は令和6年度)を東京と並べると次のとおりです。

項目京浜交通圏(横浜市など)特別区・武三交通圏(東京23区など)
法人タクシー 事業者数107306
法人タクシー 車両数6,562両27,231両
個人タクシー 車両数1,659両8,761両
実働1日1車あたり運送収入(令和6年度)46,488円61,476円
実働1日1車あたり輸送回数(令和6年度)24.0回25.2回
実車率(令和6年度)42.1%47.5%

京浜交通圏の1日1車あたりの運送収入は、令和2年度の32,196円から令和6年度は46,488円まで回復しています。ただし東京23区などとの差は約1万5千円あり、1回あたりの実車キロ(3.4キロ)も短めです。歩合給の比率が高いタクシーの給与では、この差が収入に反映されます。

賃金の統計では、全国ハイヤー・タクシー連合会(全タク連)が厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」から集計した資料(2026年10月6日付の訂正版)で、神奈川県のタクシー運転者は月間労働時間201時間、年間賃金推計額448万9,400円です(東京は198時間・570万3,500円、全国は192時間・450万8,200円)。地域ごとの数字はタクシー運転手の年収(都道府県別)、主要都市の比較は都市別のタクシーの働き方にまとめています。

横浜のタクシー会社4社の採用条件比較表

各社の公式採用ページ(2026年10月14日閲覧)で、横浜市内の営業所の募集に書かれている条件を並べました。会社名の五十音順です。「公表なし」は採用ページで確認できなかった項目です。

項目神奈中タクシー三和交通第一交通(横浜営業所)横浜交通
横浜市内の営業所横浜営業所(旭区)、戸塚営業所(戸塚区)横浜営業所(港北区)、横浜駅前営業所(西区)、センター南営業所(都筑区)横浜営業所(中区本牧)本社営業所(磯子区・67台)、港南営業所(港南区・30台)
未経験者の給与保障未経験は入社6か月間、経験者は3か月間。最大35万円6か月間 月給35万円以上(未経験者に適用・規定あり)研修終了後3か月間、最大30万円研修後、隔日勤務は1年間 月32万円。夜勤22日勤務は2年間 月37万円など勤務別
二種免許の取得費用は全額会社負担(社内規定あり)、教習期間中は日当1万円+交通費。約7〜8日費用は全額会社負担(合宿で取得)費用は全額会社負担、自動車学校〜研修期間は日給1万円(3週間程)取得費用は全額会社負担、研修期間中は日当1万1千円〜1万4千円
応募資格(運転免許)普通自動車免許(AT限定可)。養成制度は65歳までの人が対象普通免許取得後1年以上(AT限定可)普通免許取得後1年以上(AT限定可)、64歳以下普通免許取得後2年以上
隔日勤務の例7時30分〜翌2時(休憩2時間)、1乗務平均17.5時間、月11〜12乗務月平均12乗務、1乗務平均20時間(休憩3時間以上)、6時〜12時の間で出勤時刻を選択8時〜翌2時、月12回程度(同じ募集内に月13〜14回の記載もある)14時30分〜翌10時30分(拘束20時間)、月12日勤務
隔日以外の勤務ナイト勤務、短時間勤務(日勤)公表なし(横浜営業所のタクシー募集は隔日勤務)夜勤のタクシードライバー募集あり昼日勤 7時〜18時、夜日勤 19時〜翌6時(月21日または22日)
公表されている収入の数字全ドライバーの平均月収33万円(2024年度実績)全社員の平均年収533万円、未経験者1年目の平均年収425万円(2026年3月時点・グループ全体)公表なし(月収20万〜50万円の表示)入社1年目で保障給を超える人が90%以上
賞与・定年定年65歳、合意により最長75歳まで嘱託賞与年2回賞与年2回、定年65歳・再雇用制度あり賞与あり、定年は公表なし

保障の数字は「最大」「規定あり」「研修後」と条件の付け方が会社ごとに違います。とくに保障が始まる時点(入社時か、研修終了後か)と、保障期間中も歩合が付くかは、手取りに直結します。三和交通は「6ヵ月保障中も歩合はつきます」「保障額を上回る場合は別途支給」と明記しています。給与保障の仕組みはタクシーの給与保障の仕組みで詳しく解説しています。

会社ごとの特徴|公式採用ページに書かれていること

比較表に入りきらない、各社の採用ページの特徴を整理します。

神奈中タクシー|無線配車とチケット契約、横浜と戸塚に営業所

神奈中タクシー(本社は厚木市)は神奈川県内に14拠点、東京都内に2拠点を持ち、横浜市内は横浜営業所(旭区西川島町)と戸塚営業所(戸塚区上矢部町)です。採用サイトでは、約1万社とタクシーチケット契約をしていること、無線配車の実績が1か月あたり22万回以上、1乗務平均15回の乗車回数を挙げています。

横浜営業所の隔日勤務の募集は月収24万〜40万円(売上による・歩合制)で、勤務例は7時30分〜翌2時(休憩2時間)です。休日は月8〜9日(シフト制)で、隔日勤務はこれに加えて年130回以上の明け休みがあると書かれています。定年は65歳で、合意があれば嘱託社員として最長75歳まで働けます。

三和交通|横浜3営業所、出勤時刻を選べる隔日勤務

三和交通は神奈川・東京・埼玉で営業し、横浜エリアには横浜営業所(港北区鳥山町)、横浜駅前営業所(西区岡野)、センター南営業所(都筑区荏田東)があります。横浜営業所の募集では、営業エリアを港北区・都筑区・鶴見区・緑区・神奈川区・西区・旭区・中区と示し、1日の約70%が無線・アプリ配車による営業としています。

隔日勤務は月平均12乗務で、6時〜12時ごろまでの間で希望の時間に出勤でき、例として11時〜翌4時が示されています。保障期間後の給与は月給240,192円+歩合給です。社宅は単身者で月4万円からと記載されています。なお、東京エリアの保障は12か月間・最大40万円で、横浜エリア(6か月間・最大35万円)とは条件が異なります。

第一交通(横浜営業所)|最初は日勤で慣れてから隔日へ

第一交通株式会社 横浜営業所(中区本牧十二天)は、第一交通産業グループの会社です。募集では、未経験者は(1)会社負担で二種免許を取得、(2)まず日勤で業務に慣れる、(3)慣れたら隔日勤務を開始、という順序を示しています。隔日勤務は1か月単位の変形労働時間制で8時〜翌2時、時間外労働は月平均28時間程度、年間休日は203日です。

応募資格は学歴・経験不問、普通免許取得後1年以上(AT限定可)で、65歳定年制のため64歳以下としています。グループでは横浜市内に保土ヶ谷営業所・磯子営業所(ヒノデ第一交通)も募集しています。グループ全体の情報は第一交通産業の求人ページにまとめています。

横浜交通|勤務の型ごとに保障額と期間が違う

横浜交通(磯子区)は、本社営業所67台・港南営業所30台・横須賀営業所41台の3営業所です。特徴は勤務の型ごとに保障額と期間を細かく公表していることで、本社・港南営業所の場合、研修後の保障は昼勤21日勤務で月28万円(1年間)、昼勤22日で月30万円(1年間)、夜勤21日で月35万円(1年間)、夜勤22日で月37万円(2年間)、隔日勤務12日で月32万円(1年間)です。

基本の月給は27万5,748円(基本給21万6,000円+固定残業代39時間分59,748円)と内訳まで記載されています。雇用形態は正社員(有期雇用契約6か月あり)で、養成期間は約2か月です。採用ページには、ドライバーの9割以上が未経験スタートで、社内施設の保育園を利用できることも書かれています。

横浜の隔日勤務を同じ物差しで比べる

4社とも隔日勤務の募集がありますが、時間の書き方が違います。改善基準告示の上限は休憩を含む「拘束時間」で決まるため、拘束時間にそろえると次のようになります。

会社公表されている時間拘束時間に直すと月の乗務回数
神奈中タクシー7時30分〜翌2時(休憩2時間)18時間30分11〜12回
三和交通1乗務平均20時間(休憩3時間以上)約20時間(平均)平均12回
第一交通(横浜営業所)8時〜翌2時18時間12回程度
横浜交通14時30分〜翌10時30分(拘束20時間・実働17時間)20時間12回

改善基準告示では、隔日勤務の拘束時間は2暦日22時間以内(2回平均21時間以内)、1か月262時間以内です。月12回なら、拘束18時間で216時間、20時間で240時間になります。横浜交通の隔日勤務は昼過ぎに始まり翌朝に終わる出番で、朝出庫の多い他社とは生活リズムが大きく違います。ルールの詳細はタクシーの隔日勤務とはで説明しています。

説明会・面接で確かめたい5つのこと

  1. 保障の開始時点と条件:入社時からか研修後からか。出勤日数が足りない月や、保障期間中に歩合が上回った場合の扱い。
  2. 配属営業所と営業エリア:横浜市内でも旭区・戸塚区・港北区・中区・磯子区と営業所の場所はさまざまです。通勤経路と、主に走るエリアを確認します。
  3. 無線・アプリ配車の割合:京浜交通圏は1日1車あたりの運送収入が東京より低いため、配車の多さが安定に効きます。
  4. 二種免許の費用と返還の定め:「全額会社負担」でも、一定期間内に退職した場合の返還規定があるか。
  5. 年齢の上限:64歳以下(第一交通)、養成制度は65歳まで(神奈中タクシー)など、年齢の条件が付く場合があります。

会社を見る観点全般はタクシー会社の選び方、東京の大手との条件比較は大手タクシー会社の採用条件比較にまとめています。神奈川県の求人は神奈川県のタクシー求人、横浜市内に絞るなら横浜市のタクシー求人から探せます。条件で絞る場合は給与保障ありの求人、二種免許養成ありの求人、隔日勤務の求人が使えます。

出典・一次情報

本記事の数字と制度は、次の公表資料に基づいています(いずれも2026年10月14日閲覧)。

掲載条件の変更について

各社の給与・保障・勤務時間は閲覧日時点の公式採用ページの内容です。営業所や勤務形態によって条件が異なり、募集内容は予告なく変わります。応募前に最新の募集要項と説明会で確認してください。この記事に載せていない横浜のタクシー会社にも、条件の良い会社はあります。