札幌のタクシー会社比較|結論

この記事の結論

札幌のタクシー会社4グループの公式募集要項を比べると、給与保証は「3か月・昼20万円/夜25万円」から「6か月・月35万円」まで幅があります。
二種免許は4グループとも会社の負担や支援で取得でき、SKタクシーグループ(62歳まで)・エゾタク・第一交通グループは費用を会社が負担すると明記し、札幌エムケイは「会社の支援制度」と記載しています。
勤務は隔日勤務ではなく、昼勤・夜勤(日勤型)を選ぶ形の募集が中心です。
札幌交通圏と小樽市を合わせた「札幌・小樽地区」には53事業者・4,512両があり、2025年12月17日から初乗り1.05km 600円の新運賃と、12月10日〜翌3月26日の冬期割増2割を適用できる仕組みになりました(北海道運輸局)。

札幌でタクシードライバーを目指すとき、気になるのは「どの会社が未経験者を支える仕組みを持っているか」と「雪の多い冬の働き方」です。この記事では、札幌市内に営業所を置き、自社または自社グループの公式採用ページで給与保証・二種免許の養成・勤務形態を確認できた4グループを同じ物差しで並べます。

使った情報は、北海道運輸局の報道発表と公表資料、全国ハイヤー・タクシー連合会(全タク連)の統計、各社の公式採用ページ(2026年10月閲覧)です。口コミや求人サイトの転載は使っていません。会社に順位は付けていません。

札幌のタクシー市場|札幌交通圏の範囲と事業者数・車両数

北海道運輸局の報道発表では、札幌交通圏は札幌市・江別市・石狩市(旧厚田村・旧浜益村を除く)・北広島市と定義されています。札幌の法人タクシーの営業区域はこの範囲で、運賃はこれに小樽市を加えた「札幌・小樽地区」の単位で決められています。

項目内容出典・時点
札幌・小樽地区の法人タクシー53事業者・4,512両北海道運輸局(運賃改定の申請状況、2025年)
新しい上限運賃(普通車)初乗り1.05kmまで600円、加算272mごとに100円2025年12月17日実施(改定率10.04%)
改定前の運賃(旧札幌A地区=札幌交通圏)初乗り1.28kmまで670円、加算241mごとに80円2023年5月31日改定時のもの
運賃の地区旧札幌A地区(札幌交通圏)と旧札幌B地区(小樽市)を一本化2025年12月17日から

改定の申請は53事業者のうち38事業者・3,739両(申請率82.87%)から出されました。運賃は会社の売上、ひいては歩合給の元になる数字ですが、改定後に乗務員の給与がどう変わるかは各社の賃金規程しだいで、公表資料からは分かりません。

札幌は「指定地域」|二種免許のほかに試験がある

国土交通省がタクシー運転者登録制度で定める13の指定地域には札幌が含まれます。指定地域で法人タクシーに乗務するには、講習に加えて「輸送の安全及び利用者の利便の確保に関する試験」に合格する必要があります。地理科目は2024年2月29日以降の試験から廃止され、現在は法令・安全・接遇の45問(指定地域は正答率70%以上で合格)です。詳しくはタクシーの地理試験廃止後の試験と登録で解説しています。

札幌ならではの事情|冬期割増と、タクシーが足りない時間帯

北海道運輸局は2025年12月17日の運賃改定に合わせ、札幌・小樽地区で12月10日から翌年3月26日まで「冬期割増2割」を適用できるようにしました。運賃改定率10.04%にはこの冬期割増による増収分が含まれています。雪道の運行で時間がかかる冬の期間に、運賃側で手当てする仕組みです。冬期割増を実際に適用するかどうかや、乗務員の給与への反映のしかたは会社の届出と賃金規程によるため、応募先で確認してください。

需要の面では、北海道運輸局が2026年3月31日に公表した日本版ライドシェア(自家用車活用事業)用の資料で、札幌交通圏でタクシーが不足する曜日・時間帯は土曜の0時〜4時台で30台とされました(配車アプリのマッチング率90%を確保するために必要な台数、2026年2月26日現在)。それまでの公表値は「木〜日の16時〜20時台に190台、土日の0時〜4時台に170台」で、不足は大きく縮んでいます。それでも土曜の深夜は最後まで不足が残っている時間帯で、夜勤を選ぶときの判断材料になります。ライドシェアの仕組みはライドシェアドライバー求人の仕組みにまとめています。

比較した4グループと並べ方

札幌市内に営業所があり、2026年10月時点で自社または自社グループの公式採用ページに募集要項を載せている会社のうち、給与保証・二種免許・勤務形態の記載を確認できた4グループを選びました。同じ条件で複数社が募集しているグループは1行にまとめています。並び順は名称の五十音順で、優劣を示すものではありません。

グループ・会社主な営業所規模(公表値)公式に書かれている特徴
SKタクシーグループ(三和交通・さくら交通・北びしハイヤー・寿ハイヤー・北星タクシー)北区・東区・白石区・南区・西区(札幌市内に5つの営業所)三和交通は普通車205台・特定大型車1台(1962年5月設立)グループの無線配車が札幌市内全域をカバー。希望日に振替休日を取りやすいと記載
エゾタク(エゾタク株式会社)新川通営業所(北区)、小樽営業所公表なし(2026年9月始動の新しい会社)配車アプリGO・Uber・DiDiを導入。事故時の自己負担、アプリ手数料・カード手数料のドライバー負担なしと記載
札幌エムケイ(札幌MK)白石営業所・発寒営業所(西区)・千歳営業所111台電話予約・アプリ配車・自社専用乗り場からの送迎が中心で、駅などでの客待ちはしないと記載。働きやすい職場認証制度の2つ星
第一交通グループ(札幌第一交通・興亜第一交通)札幌第一交通 本社・発寒、興亜第一交通 白石・南など第一交通産業グループ全体でタクシー約8,000台グループの求人サイト「WAY」で募集。AT車を順次導入、配車システム連動のカーナビを全車装備

会社ごとの情報はエムケイ(MKタクシー)・第一交通産業の会社別ページでも確認できます。

給与保証と給与の仕組みの比較

4グループの公式募集要項に書かれている給与保証と給与の仕組みは次のとおりです。

グループ・会社給与保証(期間・金額)給与の仕組み(公表どおり)
SKタクシーグループ乗務開始から6か月間 夜勤35万円・日勤25万円(規定あり)歩合制。売上の50〜55%(三和交通)、49〜55%(北びしハイヤー)。賞与年2回(規定あり)
エゾタク入社から3か月間 昼勤20万円・夜勤25万円残業代・深夜手当は法令どおり支給と記載。全ての働き方で保障給制度を適用
札幌エムケイ入社後6か月間 月給35万円(2週間ごとの昼夜交代勤務の場合)、月給30万円(昼専属勤務の場合)。いずれも規定あり月給18万6,060円+各種手当(残業・深夜)+業績給与。研修期間(15日)は日給11,000円
第一交通グループ保証給制度あり(金額・期間は公表なし)基本給+固定残業代+業績歩合給。賞与年2回、退職金制度(勤続2年以上)

保証の起点は「入社」と「乗務開始」で会社によって違います。二種免許の取得や研修の期間を保証期間に含むかどうかで、実際に保証が効く月数が変わるので、面接で確認してください。給与保証の一般的な仕組みはタクシーの給与保証の仕組みで解説しています。

公式に書かれている収入の実績と、統計の数字

収入の実績を数字で公表しているのは札幌エムケイで、2025年の平均年収実績をタクシー乗務員505万円、ハイヤー乗務員606万円(全従業員平均540万円)と募集要項に記載しています。他の3グループは実績値を公表していません。

統計では、全タク連が厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」を集計した資料で、北海道のタクシー運転者の年間賃金推計額は420万3,200円、月間労働時間は223時間です(全産業は466万5,600円・173時間)。北海道全体の数字で、札幌市単位の数字は公表されていません。他の都府県との比較はタクシー運転手の年収(都道府県別)を参照してください。

二種免許の養成・応募資格・勤務形態の比較

タクシーの乗務には普通自動車第二種免許が必要です。4グループとも二種免許を持たない人の応募を受け付けています。

グループ・会社二種免許の取得応募資格(公表どおり)
SKタクシーグループ62歳まで養成。提携自動車学校で当社負担により取得(30万円の取得費用借入制度で、3年経過後は返済免除・当社規定による)未経験者・定年退職者歓迎。定年65歳、再雇用あり。試用期間6か月
エゾタク入社後に全額会社負担で取得学歴・経験不問。普通免許(AT限定可)取得後3年以上。定年65歳
札幌エムケイ入社内定後に取得。費用は会社の支援制度あり(全額負担かどうかは公表なし)。取得期間は10日程度学歴・業界経験不問(第一種免許取得後3年以上)
第一交通グループ入社後の取得費用は全額会社負担。自動車学校への登校期間から免許取得後の研修期間まで日給支給学歴・経験不問。64歳以下(65歳定年制のため)。普通免許(AT限定可)取得後1年以上の記載

SKタクシーグループの「当社負担」は、取得費用を貸し付け、3年勤めると返済が免除される形です。途中で退職した場合の扱いは規定によるため、応募前に確認してください。二種免許の受験資格は原則として普通免許などの取得から3年以上で、受験資格特例教習を修了すると19歳以上・取得1年以上で受験できます。養成制度の比べ方は二種免許の養成制度があるタクシー会社の選び方を参照してください。

勤務形態・勤務時間・休日

4グループの募集は、いずれも昼勤・夜勤を選ぶ日勤型が中心で、公式募集要項に隔日勤務の記載はありませんでした。

グループ・会社勤務形態と時間(公表どおり)休日
SKタクシーグループ日勤または夜勤月6〜7日(シフト制)
エゾタク昼勤・夜勤から選択(時間は公表なし)公表なし
札幌エムケイ昼勤 6:00〜17:30/7:30〜19:00、夜勤 18:00〜翌5:30/19:30〜翌7:00。2週間ごとの昼夜交代勤務、昼専属勤務もあり。夜勤ローテーションは実力が付いてから月間公休8日(法定休日や夜勤明休を含む)
第一交通グループ日勤 7:00〜17:00、夜勤 17:00〜翌3:00(いずれも応相談)。未経験者はまず日勤から夜勤の求人で年間休日105日

札幌エムケイの研修は、座学5日・国土交通省で義務化されているタクシー研修3日・路上教習4日・ベテランが助手席に乗るプレ営業3日の順で、その後4か月のフォローアップがあると説明されています。日勤と夜勤の違いは夜勤と日勤の違い、改善基準告示の上限はタクシーの隔日勤務とはで解説しています。

札幌で会社を選ぶときの確認項目と求人の探し方

公表条件の比較から、札幌で応募先を決める前に確認したい点をまとめます。

  1. 給与保証の起点と条件:入社と乗務開始のどちらから数えるか。昼勤と夜勤、昼夜交代と昼専属で金額が違うか。
  2. 二種免許の費用の扱い:会社負担、支援制度、借入制度(一定期間で返済免除)のどれか。年齢の上限や途中退職時の扱い。
  3. 冬の働き方:冬期割増を適用するか、雪道の研修やタイヤ・車両の装備、冬の勤務時間の組み方。
  4. 仕事の取り方:無線配車・配車アプリ・予約・専用乗り場など、どこから仕事が来るか。
  5. 営業所の場所:札幌交通圏(札幌市・江別市・石狩市・北広島市)の中でも、北区・白石区・西区・南区など営業所で通勤が変わります。

北海道の求人は北海道のタクシー求人、札幌市に絞るなら札幌市のタクシー求人から探せます。条件で絞る場合は二種免許の養成制度あり・給与保証あり・日勤のみ・夜勤あり、法人タクシー全体は法人タクシーの求人をご覧ください。東京の大手との比較は大手タクシー会社の採用条件比較、会社選びに使える公的な評価制度はタクシー会社の選び方にまとめています。

出典・一次情報

本記事の数字と制度は、次の公表資料に基づいています(いずれも2026年10月閲覧)。

掲載条件について

各社の給与保証・勤務時間・応募資格は閲覧日時点の公式採用ページの記載です。営業所や求人ごとに条件が異なる場合があり、改定されることもあります。応募前に最新の募集要項と面接で確認してください。本記事は特定の会社への応募を勧めるものではありません。