鹿児島のタクシー求人とタクシー会社比較|結論
この記事の結論
鹿児島県のタクシー運転者の年間推計額は304万500円で、全国(450万8,200円)より146万7,700円低い水準です(令和7年賃金構造基本統計調査、全タク連の第4表)。
同じ統計の県内の運転の仕事では、営業用中小型トラック479万6,400円、バス406万6,500円、営業用大型トラック404万4,500円で、タクシーは年収では最も低い一方、月間労働時間は162時間と全産業(173時間)より11時間短く、1時間あたりではバスを上回ります。
年収は令和5年298万900円、令和6年308万8,100円、令和7年304万500円で、3年とも300万円前後に収まっています(前年比は本記事が各年の値から計算)。
県内(奄美市・大島郡を除く鹿児島ブロック)の法人タクシーは88者・2,411両で、2026年4月1日に増収率10.21%の運賃改定が実施されました。
公式の採用ページで条件を確認できた旭交通、鹿児島第一交通、南州タクシーの3社は、いずれも二種免許の取得費用を会社が負担する制度を公表しています。
「鹿児島 タクシー 求人」で調べると、求人サイトの一覧や広告が多く並びます。しかし、年収の水準は公的統計、給与保障や勤務形態は各社が自分の採用ページに書いている内容がいちばん確かな情報です。
この記事では、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」の都道府県別の職種表(令和5〜7年)、全国ハイヤー・タクシー連合会(全タク連)の集計、国土交通省九州運輸局の運賃改定の発表、鹿児島市の支援制度、県内3社の公式採用ページだけを使って、年収と会社の条件を順位を付けずに整理します。都道府県別の一覧はタクシー運転手の年収(都道府県別)にまとめています。
鹿児島のタクシー運転手の年収|304万500円、全国36位
全タク連が厚生労働省の統計をもとに作成した「『令和7年賃金構造基本統計調査』によるタクシー運転者の現況」(2026年10月6日付の訂正版【最新版】)第4表の鹿児島の行は次のとおりです。年間推計額は「6月分のきまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額」です。
| 項目(鹿児島) | タクシー運転者 | 全産業労働者 | 差 |
|---|---|---|---|
| 月間労働時間 | 162時間 | 173時間 | タクシーが11時間短い |
| 年間推計額 | 3,040,500円 | 4,528,900円 | 1,488,400円(全産業が高い) |
| (参考)令和6年調査の格差 | 1,168,200円 | 格差は320,200円拡大 | |
第4表の47都道府県の年間推計額を本記事で並べ替えると、鹿児島は36位です。月間労働時間162時間は短いほうから5番目で、全産業より短い10県のひとつです。なお、第4表の「対前年増減」の列(鹿児島は+32万200円)は、年収の増減ではなく「全産業との格差」の前年からの増減です。年収の前年比は、次の表のように各年の年収から計算します。
3年間の推移|298万円、309万円、304万円と300万円前後
賃金構造基本統計調査の都道府県別第3表(一般労働者・産業計)の鹿児島県のタクシー運転者の値です。年間推計額と前年比、推計労働者数(表の「十人単位」を10倍した値)は本記事の計算です。
| 調査年 | 年間推計額 | 前年比(本記事の計算) | きまって支給する現金給与額(月) | 年間賞与 | 平均年齢 | 勤続年数 | 月間実労働時間 | 推計労働者数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 令和5年 | 2,980,900円 | - | 238,000円 | 124,900円 | 64.1歳 | 9.1年 | 191時間 | 約1,130人 |
| 令和6年 | 3,088,100円 | +3.6% | 247,600円 | 116,900円 | 64.5歳 | 9.1年 | 168時間 | 約1,740人 |
| 令和7年 | 3,040,500円 | -1.5% | 239,500円 | 166,500円 | 64.4歳 | 8.1年 | 162時間 | 約1,210人 |
3年の単純平均は約303万6,500円で、前年比は+3.6%、-1.5%と年ごとの動きは小さめです。目立つのは労働時間で、令和5年の191時間から令和7年は162時間まで短くなり、1時間あたりの額(年間推計額÷月間労働時間÷12)は約1,301円から約1,564円に上がっています。平均年齢は3年とも64歳台です。全タク連も第4表の注1で、タクシー運転者に係る調査対象事業所数は限られ、小規模な都道府県では実情が正確に反映されていない可能性があると注意しているため、1年ごとの増減より3年の水準で見るのが適切です。
令和7年の内訳は、所定内給与額22万5,100円、時間外・深夜手当などの超過分(きまって支給する額との差)1万4,400円、年間賞与16万6,500円です。歩合給の計算の仕組みはタクシーの歩合給の計算と足切りで解説しています。
県内のバス・トラックと比べる|年収は最も低く、時給はバスを上回る
同じ令和7年の都道府県別第3表の鹿児島県の欄から、自動車運転の職種を並べました。1時間あたりは年間推計額を月間実労働時間の12倍で割った本記事の計算値です。
| 職種(鹿児島県) | 平均年齢 | 月間実労働時間 | きまって支給する現金給与額(月) | 年間賞与 | 年間推計額 | 1時間あたり |
|---|---|---|---|---|---|---|
| タクシー運転者 | 64.4歳 | 162時間 | 239,500円 | 166,500円 | 3,040,500円 | 約1,564円 |
| バス運転者 | 59.4歳 | 222時間 | 302,800円 | 432,900円 | 4,066,500円 | 約1,526円 |
| 営業用大型貨物自動車運転者 | 51.2歳 | 194時間 | 303,000円 | 408,500円 | 4,044,500円 | 約1,737円 |
| 営業用貨物自動車運転者(大型車を除く) | 46.9歳 | 208時間 | 340,300円 | 712,800円 | 4,796,400円 | 約1,922円 |
鹿児島県では、タクシーの年間推計額は大型トラックより100万4,000円、バスより102万6,000円、中小型トラックより175万5,900円低い結果です。ただし月間労働時間はタクシーが最も短く、1時間あたりでは約1,564円とバス(約1,526円)を上回ります。年収の差には、労働時間の差も含まれている点に注意してください。全国の比較はタクシー・バス・トラックの年収比較を参照してください。
鹿児島のタクシー市場|88者・2,411両と2026年4月の運賃改定
九州運輸局の発表(2025年10月8日)では、鹿児島ブロック(鹿児島県のうち奄美市・大島郡を除く地域)の法人タクシーは88者・2,411両(2025年10月2日現在)です。
このうち鹿児島市と鹿児島空港交通圏(霧島市・姶良市・姶良郡)は、タクシー特措法の「準特定地域」として国土交通省が輸送実績を公表している区域です。国土交通省が公表した令和5年度の日車営収(法人タクシー1日1車あたりの営業収入、速報値)は、鹿児島市が2万3,943円(平成13年度は1万9,631円)、鹿児島空港交通圏が2万1,059円(同1万7,842円)でした。1台の車を複数の乗務員が交代で使うため、乗務員1人の売上とは一致しません。営業区域の考え方はタクシーの営業区域で解説しています。
2026年4月の運賃改定|A・B地区を一本化、増収率10.21%
九州運輸局は2026年3月2日、鹿児島ブロックの新運賃を公示し、2026年4月1日から実施されました。47社の申請・要請を審査した結果で、それまで鹿児島Aと鹿児島Bに分かれていた運賃が「鹿児島」として一本化されました。
| 区分(普通車・上限運賃) | 初乗り | 加算 |
|---|---|---|
| 改定前(鹿児島A) | 1.3km 700円 | 160mごと50円 |
| 改定前(鹿児島B) | 1.3km 700円 | 261mごと80円 |
| 改定後(鹿児島)2026年4月1日〜 | 1.3km 770円 | 145mごと50円 |
同じ発表の収支の資料では、原価計算の対象となった9社(580両)の令和6年度実績で、運賃原価に占める運転者人件費の割合が60.31%でした。運賃が上がった分がどう給与に回るかは各社の賃金規定によります。仕組みはタクシーの運賃改定と収入にまとめています。
また九州運輸局の資料(2025年12月4日現在)では、タクシー事業者から自家用車活用事業(いわゆる日本版ライドシェア)の実施意向が出ている営業区域として、鹿児島市(金・土の16時台〜翌5時台、不足車両数74台)、鹿児島空港交通圏(同12台)、川薩交通圏(薩摩川内市・さつま町、同10台)、鹿屋交通圏(鹿屋市・東串良町、同6台)などが挙がっています(不足車両数は各区域のタクシー車両数の5%とみなした数)。仕組みはライドシェアドライバーの求人の仕組みを参照してください。
鹿児島市の運転者・事業者向けの支援制度
鹿児島市は、運転者不足への対応として「路線バス・タクシー運転者就職奨励金」と「第二種免許取得支援補助金」を設けています(2026年8月14日更新の市のページ)。就職奨励金は、市内を営業区域とする事業者に2026年4月以降に採用された運転者などが対象で、採用時と採用1年後にそれぞれ10万円です(採用日時点で70歳未満、2026年8月1日以後の採用はドライバーバンクかごしまへの登録が必要など、要件があります)。第二種免許取得支援補助金は事業者向けで、タクシー事業者が負担した二種免許の取得経費の4分の1以内(1人5万円まで)を市が補助します。対象になるかどうかは、応募先の会社と市の担当窓口で確認してください。
鹿児島のタクシー会社比較|公式採用ページで条件を確かめた3社
鹿児島県内に営業所があり、会社の公式採用ページ(グループの採用サイトを含む)で給与・勤務・二種免許の取得制度・応募資格を確認できた3社を、五十音順で並べます。順位や優劣を示すものではありません。県内のほかの会社は、公式サイトに採用条件の記載が見つからなかったため対象外としました。
| 会社(五十音順) | 勤務地(公表どおり) | 給与・保障(公表どおり) | 二種免許の取得 | 応募資格 |
|---|---|---|---|---|
| 旭交通株式会社(旭交通タクシーグループ) | 霧島市・鹿児島市・鹿屋市・薩摩川内市・出水市(ほか熊本市)。希望を考慮 | タクシー乗務員 月額175,000〜300,000円。定時制・福祉車両専属は時給960円〜。給与保障の記載なし | 会社が費用を立て替えて全額負担するサポート制度(一部付帯事項あり)。教習所入校日から研修社員として給与を支給 | 19歳以上、普通1種免許取得後1年以上(AT限定可)。学歴不問 |
| 鹿児島第一交通株式会社(第一交通産業グループ) | 鹿児島市宇宿(鹿児島営業所)。ほかに谷山・指宿・鹿屋・錦江の各営業所でも募集 | 給与例 月収18万円〜25万円以上(基本給+業績歩合給+諸手当)。経験の有無を問わず乗務開始後3か月間は月収20万円の保証給制度。二種免許取得期間中は日当を支給 | 取得費用は全額会社負担 | 普通1種免許取得後1年以上、または普通2種免許保持者。AT限定可。年齢の記載なし |
| 株式会社南州タクシー | 鹿児島市内6営業所(西坂元・小川町・武町・桜ヶ丘・下伊敷・吉野)。希望を考慮 | 総支給額17.5万〜55万円以上。養成員は月給160,000円の保証あり(2か月) | 普通1種免許取得3年以上の人は取得費用を全額会社負担、取得中は生活費補助。1種免許取得1年経過者の特別講習の受講枠あり | 普通二種免許、または養成コースで普通1種免許取得3年以上(AT可)。年齢不問 |
二種免許は通常、普通免許取得後3年以上が受験資格です。取得後3年未満の人は、19歳以上・取得後1年以上で受けられる受験資格特例教習を使う形になります。仕組みは二種免許の受験資格特例教習、会社の養成制度の見方は二種免許の養成制度で解説しています。
旭交通|2日勤務1日休みのローテーションと短時間の正社員
霧島市に本社を置く旭交通の募集要項では、タクシー乗務員の勤務は「2日勤務して1日休みのローテーション・昼勤務・夜勤務・その他希望考慮」で、法定外の残業はないとしています。定時制乗務員(短時間勤務正社員)は9時〜15時、8時〜16時など相談に応じ、福祉車両(車いす専用車・寝台車)専属の乗務員の募集もあります。65歳定年で、定年後も70歳まで雇用延長が可能としています。社員の9割以上が未経験者と説明しています。会社の情報は旭交通の会社ページへ。
鹿児島第一交通|昼勤・夜勤と乗務員負担の明示
第一交通産業グループの採用サイトによると、鹿児島営業所の勤務は昼勤7時〜17時、夜勤17時〜4時(いずれも月平均24日勤務程度)で、休日は月5〜6日程度です。クレジットカード手数料や各種割引手数料、無線代、リース代などの乗務員負担はないと明記しています。同じグループの第一交通株式会社も、川内・串木野・姶良の各営業所で乗務員を募集しています。
南州タクシー|電話配車中心と年間休日120日
南州タクシーの採用ページでは、仕事は電話配車がメインで、勤務はシフト制(基本は2日勤務後1日休み。昼勤務・夜勤務なども相談可)、年間休日120日としています。総支給の例として、15日勤務で売上高45万円の場合22万5,000円、20日勤務で売上高65万円の場合32万5,000円が示されています。賞与年2回、退職金制度(勤続3年以上)があります。
鹿児島でタクシー求人を比べるときの確認項目
- 保障の期間と額:南州タクシーは養成員に月給16万円を2か月、鹿児島第一交通は乗務開始後3か月間に月収20万円と、単位も期間も違います。読み方はタクシーの給与保障の仕組みで解説しています。
- 運賃改定後の賃金規定:2026年4月の改定後に歩合率や足切り額が変わったかどうか。
- 勤務形態と休日:「2日勤務1日休み」の1回の勤務時間、昼勤・夜勤の月の勤務日数。ルールはタクシーの隔日勤務を参照してください。
- 二種免許の費用の扱い:全額負担か立て替えか、一定期間内に退職した場合の返還の定めがあるか。
- 年齢と定年:統計上の鹿児島県のタクシー運転者の平均年齢は64.4歳です。定年と再雇用の上限年齢も確認しておくと安心です。60代からのタクシードライバーも参考になります。
県内の求人は鹿児島県のタクシー求人、市ごとには鹿児島市・霧島市・鹿屋市・薩摩川内市のページから探せます。条件別には二種免許の養成制度ありの求人・給与保障ありの求人・未経験歓迎の求人で絞り込めます。福祉車両の仕事は介護タクシーの求人と働き方にまとめています。
出典・一次情報
本記事の数字は、次の公表資料と各社の公式採用ページに基づいています(いずれも2026年10月閲覧)。年間推計額・前年比・平均・1時間あたり・差額・順位は、公表値から本記事が計算したものです。
- 一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会「『令和7年賃金構造基本統計調査』によるタクシー運転者の現況」(令和8年5月、2026年10月6日付の訂正版【最新版】)第4表・注1 taxi-japan.or.jp(PDF)
- 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(令和5年・6年・7年)一般労働者 都道府県別第3表(都道府県、職種(特掲)、性別) e-Stat(令和7年)
- 国土交通省九州運輸局「鹿児島ブロックのタクシー運賃改定申請のお知らせ」(2025年10月8日) wwwtb.mlit.go.jp(PDF)
- 国土交通省九州運輸局「鹿児島ブロックにおけるタクシーの運賃改定―査定結果に基づく新運賃を公示―」(2026年3月2日) wwwtb.mlit.go.jp(PDF)
- 国土交通省九州運輸局「自家用車活用事業に係るタクシーが不足する地域、時期及び時間帯並びに不足車両数の申し出状況について」(2025年12月4日現在) wwwtb.mlit.go.jp(PDF)
- 国土交通省「タクシー事業の準特定地域における輸送実績(速報値)の公表について」(2024年7月、準特定地域における令和5年度速報値) mlit.go.jp
- 鹿児島市「鹿児島市路線バス・タクシー運転者就職奨励金・第二種免許取得支援補助金・路線バス運転者家賃補助金」(2026年8月14日更新) city.kagoshima.lg.jp
- 旭交通タクシー「募集要項」 asahikotsu.com
- 第一交通産業グループ 採用サイト「鹿児島第一交通株式会社 鹿児島営業所の求人」 daiichi-koutsu-saiyo.com/鹿児島県の求人一覧 同
- 南州タクシー「タクシー乗務員・養成員(正社員)鹿児島市内6営業所」 nansyu.jp
数字の範囲について
賃金構造基本統計調査の鹿児島県の数字は県全体の値で、市や交通圏ごとの年収は公表されていません。対象は企業規模10人以上の企業で働く一般労働者で、個人タクシーは含みません。額は税・社会保険料を引く前の額面です。日車営収は法人タクシーの数字です。会社の公表条件や市の制度は閲覧日時点のもので、営業所や勤務形態によって異なる場合があります。応募前に最新の募集要項と面接で確認してください。



