タクシー運転手の定年は何歳まで|結論

この記事の結論

タクシー会社の定年は60〜70歳と会社ごとに違い、公式採用ページを確認した10社のうち6社が定年後も「75歳まで」働ける制度を公表しています。
例えば大和自動車交通は定年60歳・最長75歳、日の丸交通は70才選択定年制・75才まで、名鉄タクシーとMKタクシー京都は定年65歳・再雇用で75歳まで、日本交通(東京)は65才選択定年制・定時制雇用で68才までです。
法律上、定年は60歳を下回ることができず(高年齢者雇用安定法第8条)、65歳までの雇用確保は義務(第9条)、70歳までの就業確保は努力義務(第10条の2)です。
運転免許そのものに年齢の上限はありませんが、65歳以上の運転者は会社が適齢診断を受けさせる必要があり(国土交通省告示)、75歳以上は免許更新時に認知機能検査を受けます(警察庁)。

「タクシーは何歳まで働けるのか」は、転職を考える50代・60代だけでなく、長く続けたい若い世代にとっても重要な問いです。答えは会社の就業規則で決まり、会社によって10年近く違います。

この記事では、e-Gov法令検索の法令本文、国土交通省・警察庁・関東運輸局の公表資料、全国ハイヤー・タクシー連合会(全タク連)の統計、タクシー会社の公式採用ページだけを使って整理します。60代の年収と定時制乗務員の年齢構成は60代のタクシー運転手で詳しく解説しています。

定年に関する法律のルール|60歳・65歳・70歳

定年は会社が就業規則で定めますが、高年齢者雇用安定法が下限と、定年後の雇用確保のルールを決めています。

年齢内容義務の強さ根拠
60歳定年を定める場合、60歳を下回ることができない禁止第8条
65歳65歳未満の定年を定めている会社は、①定年の引上げ、②継続雇用制度の導入、③定年の廃止のいずれかで65歳までの雇用を確保する義務第9条
70歳65歳以上70歳未満の定年などの会社は、70歳までの就業確保措置(定年引上げ・定年廃止・継続雇用制度・創業支援等措置)を講じるよう努める努力義務第10条の2

厚生労働省は、70歳までの措置は「70歳までの定年年齢の引上げを義務付けるものではありません」と説明しています。つまり「何歳まで働けるか」の上限は法律ではなく、各社の定年と継続雇用制度の内容で決まります。

10社の定年と定年後の上限|公式採用ページの記載

タクシー乗務員の募集要項・よくある質問・福利厚生のページに書かれた内容を並べました(2026年10月閲覧)。「公表なし」は該当ページに記載が見当たらなかったものです。

会社(地域)定年定年後の働き方と上限
日本交通(東京)65才選択定年制(募集要項)。よくある質問では60歳〜65歳のいずれかを本人が選択定時制雇用として68才まで雇用可(400名以上が在籍と記載)
国際自動車(東京)60〜65歳の選択定年制65歳以降も健康面・運転面で問題がなければ嘱託(1年契約)で延長可能。上限年齢は公表なし
大和自動車交通(東京)60歳健康状態などに問題がなければ最長75歳(ハイヤー乗務員は最長70歳)
帝都自動車交通(東京)60歳(福利厚生ページ)定年後再雇用制度あり。上限年齢は公表なし。新卒募集要項に定時制社員制度の記載
日の丸交通(東京)70才選択定年制定年後も雇用継続し75才まで(約150名が在籍と記載)
グリーンキャブ(東京)65歳健康上に問題がなければ嘱託・定時制契約で75歳まで
名鉄タクシー(名古屋)65歳(正社員)再雇用制度で75歳まで
MKタクシー京都65歳(正社員雇用)再雇用制度により最長75歳まで
阪急タクシー(大阪・兵庫・京都)公表なし雇用継続制度あり(75歳到達時まで)
日本交通(大阪)64歳定年後の継続勤務も可能。上限年齢は公表なし

上限年齢を公表している7社のうち、大和自動車交通(タクシー)・日の丸交通・グリーンキャブ・名鉄タクシー・MKタクシー京都・阪急タクシーの6社が75歳まで、日本交通(東京)が68才までです。一方で、定年後は「嘱託」「定時制」「再雇用」と書き方が違い、雇用形態や勤務日数、賃金の決め方が定年前と変わることがあります。応募の段階で、定年後の雇用形態と更新の条件まで確認しておくと安心です。

「選択定年制」とは

日本交通(東京)・国際自動車・日の丸交通が採用している選択定年制は、一定の範囲から本人が定年年齢を選ぶ仕組みです。日本交通のよくある質問は「60歳~65歳のいずれかで本人の選択により設定可能」と説明しています。選んだ年齢で定年となり、その後は各社の定時制・嘱託などの制度に移ります。

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何歳まで応募できるか|年齢上限の記載と法律の例外

労働施策総合推進法第9条により、募集・採用は原則として年齢にかかわりなく行わなければなりません。同法施行規則第1条の3第1号は例外として、「定年の年齢を下回ることを条件として」期間の定めのない労働契約で募集する場合を挙げています。

  • 日本交通(大阪):応募資格は「年齢63歳まで(定年64歳のため)」
  • 帝都自動車交通:応募資格は「21歳~64歳位まで」
  • 日の丸交通:「女性の方、60代の方も大歓迎」「50代、60代の方で、タクシードライバーがはじめての方も大歓迎」
  • 日本交通(東京):65歳以上の乗務員が400名以上勤務しているとよくある質問に記載

上限を書いていない会社が多い一方、定年が近い年齢で入社すると、すぐに定年後の雇用形態に移ることになります。60代で応募する場合は、入社時の雇用形態(正社員か、定時制・嘱託か)を確認してください。60代からの転職は60代のタクシー運転手、50代は50代でタクシー運転手に転職で解説しています。

免許と事業の側の年齢ルール|適齢診断・認知機能検査・個人タクシー

法人タクシーの乗務員に、法令で一律の年齢上限はありません。そのかわり、年齢に応じた確認の仕組みがあります。

制度対象と時期根拠
適齢診断(高齢運転者のための適性診断)65才に達した日以後1年以内に1回、その後75才に達するまでは3年以内ごとに1回、75才に達した日以後1年以内に1回、その後1年以内ごとに1回。65才以上の人を新たに運転者に選任した場合は選任の日から1年以内国土交通省告示「旅客自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に対して行う指導及び監督の指針」
認知機能検査運転免許証の更新期間が満了する日の年齢が75歳以上の人は、認知機能検査等を受ける警察庁
個人タクシーの新規許可申請日現在65歳未満。許可後は期限更新時に75歳に達する日以降の期限は付されない関東運輸局の審査基準

適齢診断は会社が乗務員に受けさせる義務で、結果は乗務員台帳に添付されます。法人タクシーでは75歳を超えても制度上は乗務できますが、公表されている会社の上限は75歳が最も多いという状況です。個人タクシーの年齢要件の詳細は個人タクシーのなり方と条件をご覧ください。

統計で見る年齢|平均56.8歳、定時制は70〜74歳が最多

全タク連が厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」を集計した資料では、タクシー運転者の平均年齢は56.8歳で、前年の60.2歳から3.4歳下がりました。全産業の平均年齢は44.4歳です。

定年後の継続雇用者が多い定時制乗務員(週所定労働時間40時間未満)については、全タク連の調査(2023年3月末)で全国33,237人、年齢別では70〜74歳が13,604人(40.9%)で最も多く、75歳以上も7,876人(23.7%)いました。定年後も乗務を続ける働き方が業界に広く根づいていることがわかります。年齢階級別の年収(60〜64歳440万1,300円、65〜69歳379万500円、70歳以上347万5,900円)は60代のタクシー運転手で詳しく比較しています。

長く働きたい人の確認ポイント

  1. 定年の年齢と選択の幅:固定か、選択定年制か。
  2. 定年後の雇用形態:再雇用・嘱託・定時制のどれか。契約期間(国際自動車は1年契約と明記)と更新の条件。
  3. 上限年齢:68歳、75歳など、公表されている上限があるか。
  4. 定年後の勤務形態:隔日勤務を続けられるか、日勤や短時間になるか。短時間勤務の条件はタクシーの定時制・パートにまとめています。
  5. 健康管理:健康診断や適齢診断の受け方、結果による乗務の扱い。

シニア歓迎の求人はシニア歓迎の求人から探せます。会社別には日の丸交通、大和自動車交通、グリーンキャブ、名鉄交通、MKタクシーの求人ページがあります。

出典・一次情報

本記事の制度と数字は、次の公表資料に基づいています(いずれも2026年10月閲覧)。

定年・継続雇用の条件について

各社の定年と上限年齢は閲覧日時点の公表内容です。定年後の雇用は健康状態や勤務実績などの条件付きの場合があり、雇用形態・賃金も会社ごとに異なります。応募前に最新の募集要項と面接で確認してください。