広島のタクシー会社比較|結論

この記事の結論

広島市のタクシー会社は、未経験者向けの給与保障の期間が3か月から6か月まで会社ごとに違います。
公式募集要項で確認できた範囲では、カープタクシーが入社から6か月目の末日まで月額20万〜23万円(二種免許なしの場合)、つばめ交通が入社後4か月間で月30万200円、広島第一交通(上安営業所)が乗務後3か月間で月収25万円、広交タクシーは入社3か月間の保証給制度ありとしつつ金額は公表していません。
二種免許の取得費用は4社とも会社が負担または保証する制度を公表しています(条件・社内規定あり)。勤務は隔日勤務と日勤(昼勤・夜勤)を選べる会社が多く、定年は60歳(つばめ交通)と65歳(ほか3社)に分かれます。
広島市を中心とする広島交通圏のタクシー車両(個人タクシーを除く)は2,594両(2025年度末、中国運輸局)で、広島市域の運賃は2025年12月5日に改定されました。

「広島 タクシー会社 比較」で調べると、求人サイトのランキングや口コミが多く出てきます。しかし、給与保障・勤務時間・二種免許の費用負担といった条件は、各社が自分の採用ページに書いている内容がいちばん確かな情報です。

この記事では、広島市内に営業所を持つタクシー会社のうち、公式の採用ページ(会社やグループが運営する採用サイトを含む)で給与保障・勤務形態・二種免許の養成制度・応募資格を確認できた4社を、順位を付けずに並べて比較します。数字はすべて各社の公式採用ページ(2026年10月閲覧)と、国土交通省中国運輸局・全国ハイヤー・タクシー連合会(全タク連)の公表資料から引用しています。口コミや求人サイトの情報は使っていません。

広島のタクシー市場|交通圏ごとの車両数と事業者数

タクシーは「営業区域」ごとに事業の許可が出ており、乗務できる範囲も営業区域で決まります(仕組みはタクシーの営業区域で解説しています)。中国運輸局は広島県内の広島交通圏・呉市A・東広島市・福山交通圏を「準特定地域」としており、2026年8月31日の公示で、営業区域ごとの車両数(個人タクシーを除く)と、需要から算定した適正車両数を公表しています。

営業区域(広島県内の準特定地域)2025年度末の車両数適正車両数(上限〜下限)上限との乖離率
広島交通圏2,594両1,870〜1,662両27.9%
福山交通圏745両538〜479両27.8%
呉市A365両223〜198両38.9%
東広島市256両218〜193両14.8%

広島県内の法人タクシーの車両は、広島市を中心とする広島交通圏に集まっています。事業者数については、中国運輸局が運賃改定の受付時に公表した数字があり、広島市域地区(広島市・廿日市市の一部・安芸郡府中町・海田町・熊野町・坂町)は69事業者・2,580両(2025年3月24日現在、ハイヤーと福祉輸送限定を除く)、それ以外の広島県全域にあたる広島地区は143事業者・2,215両(2025年6月17日時点の発表)です。同じ会社でも、勤務する営業所がどの地区・交通圏にあるかで営業できる範囲と運賃が変わる点は、応募前に確認しておきたいところです。

2025年11〜12月の運賃改定

中国運輸局は2025年11月6日に広島市域地区の新しい運賃の範囲を公示し、2025年12月5日午前5時以降に出庫する車両から適用しました。普通車の上限運賃は初乗り1.45km800円・加算300mごと100円(改定前は1.5km750円・264mごと80円)、運賃改定率は10.27%です。前回の改定は2023年6月26日(14.32%)でした。

広島市域地区を除く広島県全域(福山・呉・東広島など)の広島地区は、2025年10月28日に公示され、2025年11月27日から適用されています。普通車の上限運賃は初乗り1.42km800円・加算288mごと100円、運賃改定率は12.09%です。

どちらの発表でも中国運輸局は、運賃改定の実施によって運転者の労働条件の改善が図られるよう、事業者団体に対し、労働条件の改善措置を講じること、その実績を賃金水準だけでなく手当の創設なども含めて自主的に公表することなどを指導するとしています。運賃改定が収入にどうつながるかは運賃改定と運転者の収入で解説しています。

全タク連が「令和7年賃金構造基本統計調査」から集計した資料(2026年10月6日付の最新版)では、広島県のタクシー運転者の年間推計額は399万4,100円、月間労働時間は189時間で、全産業労働者(513万3,300円)との差は113万9,200円です。都道府県別の比較はタクシー運転手の年収(都道府県別)にまとめています。

比較した4社と並べ方

比較の対象は、広島市内に営業所があり、公式の採用ページで、給与または給与保障・勤務形態・二種免許の取得制度・応募資格を確認できた会社です。並び順は会社名の五十音順で、売上・台数・条件の良し悪しによる順位ではありません。ここに載っていない会社が条件で劣るという意味でもありません。

会社(五十音順)主な勤務地(公表どおり)応募資格二種免許の取得
カープタクシー本社営業所(矢野車庫、広島市安芸区矢野新町)。応募フォームの希望勤務地の選択肢は大州・矢野・廿日市・宮島普通自動車一種免許所持3年経過(AT限定可)、業界未経験可。60代でも応募可能入社後に教習所へ通って取得、教習所の受講料は会社が支払い(条件あり)
つばめ交通本社営業所(広島市東区牛田本町、入社後当面は本社所属)、府中営業所(安芸郡府中町)普通一種免許取得後3年以上(19歳以上で運転歴1年以上なら応募可)、または普通二種免許。外国籍の人も歓迎自社の教育訓練部トレーニングセンターで養成、取得費用は会社が全額保証(社内規定あり)、採用時から正社員
広交タクシー本社(広島市西区観音新町)、緑井営業所(広島市安佐南区緑井)未経験者は普通免許取得3年以上、または二種免許所持者普通二種養成コース(指定自動車学校、早い人で約10日)、養成費用は会社負担
広島第一交通上安営業所(広島市安佐南区)、府中営業所(安芸郡府中町)、阿品営業所の募集を掲載普通一種免許取得後3年以上、または普通二種免許(AT限定可)。別の募集では取得後1年以上・64歳以下全額会社負担、二種免許の取得期間と研修期間は日当8,000円

応募資格の「普通免許取得後の年数」は、多くの会社が3年としていますが、つばめ交通と広島第一交通の一部の募集では19歳以上・1年以上でも応募できるとしています。普通免許取得後3年未満でも二種免許を受けられる「受験資格特例教習」の仕組みは二種免許の受験資格特例教習で解説しています。

給与保障と給与体系の比較

タクシーの給与は売上に応じた歩合給が中心で、未経験で入社した最初の期間だけ一定額を保障する会社が多くあります。4社の公表内容を並べると、保障の期間・金額・数え始め(入社からか乗務開始からか)がそれぞれ異なります。

会社未経験者の給与保障(公表どおり)給与の決まり方公表している収入の実績など
カープタクシー入社から6か月目の末日まで。二種免許なしで入社は月額20万〜23万円、二種免許ありは月額22万〜25万円(隔日勤務の募集要項)基本給16万5,870円+歩合給。運収に応じた変動歩率(43〜60%)。賞与年2回(歩合賞与、7月・12月)給与実績(2022年度)月16.5万〜52万円
つばめ交通入社後4か月間、保証給30万200円(1日1万2,300円×月24日まで+交通費5,000円込み)固定給+売上歩合。賞与年2回(7月・12月)平均月額30万円くらい(20万〜70万円)
広交タクシー未経験で入社した人は入社3か月間の保証給制度あり(金額は公表なし)基本給+割増賃金(時間外・深夜)+勤勉手当(歩合給)。勤務体系で異なり、詳細は面接時に説明。賞与年2回(7月・12月)、ノルマなし月収30万円以上の乗務員多数(募集要項の記載)
広島第一交通未経験者は乗務後3か月間、月収25万円の保証給(上安営業所の募集)基本給+業績歩合給+諸手当(精勤手当・無事故手当)月収20万〜30万円以上可能(同募集)

同じ「保障」でも、カープタクシーとつばめ交通は入社日から数え、広島第一交通は乗務を始めてから3か月間です。二種免許を取って研修を受ける期間は、広島第一交通が日当8,000円、つばめ交通は保証給の4か月に研修期間が含まれる形です(採用サイトでは入社後2か月以内のデビューを目指すとしています)。つばめ交通の保証給は日額×出勤日数で計算されるため、出勤日が24日に満たない月は金額が変わる点も確認しておきましょう。保障の仕組み全般はタクシーの給与保障の仕組みで詳しく解説しています。

事故や手数料の自己負担も確認する

給与の額とは別に、営業や事故にかかる費用を誰が負担するかも手取りに影響します。広島第一交通は「クレジットカード手数料や各種割引手数料、無線代、リース代等の乗務員負担は一切ありません」と募集ページに書いています。事故の負担について、カープタクシーは労使協定に基づき掛け率を協議して決めるものの上限5万円を超えない、つばめ交通は原則会社負担で、重過失などの場合に最高5万円を賞与から控除する場合があると公表しています。広交タクシーは採用サイトでこの項目を個別に公表していないため、面接で確認してください。

勤務形態・休日・定年の比較

勤務の組み方も会社によって違います。隔日勤務は1回の勤務で2日分働き、翌日が明け休になる働き方です(詳しくはタクシーの隔日勤務)。

会社勤務形態と時間(公表どおり)休日・乗務回数定年・継続雇用
カープタクシー隔勤6:00〜24:00または7:00〜25:00(休憩3時間・実働15時間)。昼日勤6:00〜16:30・7:00〜17:30、夜日勤17:00〜翌3:30・18:00〜翌4:30(いずれも休憩2.5時間・実働8時間)隔勤は月12回出勤(2日に1回の出勤3回を1ブロックとして月4ブロック)。昼日勤は週休2日(日曜と希望の曜日)定年65歳、75歳まで再雇用制度あり
つばめ交通隔日勤務と日勤勤務(昼日勤・夜日勤)から選択。短時間勤務や月8勤・12勤の勤務にも対応自由なシフト組ができ、隔日勤務では3連休を3回、最大で5連休も組める(よくある質問)定年60歳(よくある質問では60代〜70代の乗務員も働いていると説明)
広交タクシー隔日勤務6時〜23時30分または7時〜24時30分(休憩3時間)。昼勤8時〜16時、夜勤17時〜25時(休憩1時間)隔日勤務は月12〜14乗務で、公休+非番で年間最大209日(月13乗務の場合)。昼勤・夜勤は月25〜26日定年満65歳、希望者は満70歳くらいまで嘱託乗務員として再雇用
広島第一交通昼勤7:00〜17:00、夜勤18:00〜3:00(各月平均24日程度)、隔日勤務8:00〜2:00(月平均12日程度)。上安営業所の募集府中営業所の隔日勤務の募集では年間休日203日・月12回程度定年65歳(一律)、再雇用制度あり

広交タクシーの「年間最大209日」は公休と非番(明け休)を合わせた日数と明記されています。広島第一交通の「年間休日203日」も月12回程度の隔日勤務の募集に書かれた数字で、日勤の休日数とは比べられません。休日の数字は会社ごとに数え方が違うため、「明け休を含むか」「1か月の乗務回数は何回か」を面接でそろえて比べてください。日勤・夜勤の違いはタクシーの夜勤と日勤の違い、60歳以降の働き方はタクシーの定年と再雇用で整理しています。

各社の公表内容から分かる特徴

条件表だけでは見えない、各社が採用ページで説明している営業の仕組みや入社後の流れをまとめます(いずれも各社の記載どおり)。

カープタクシー|4種類のアプリと無線配車、歩率を数字で明示

カープタクシーの採用サイトでは、主な営業エリアを広島市中心部とし、配車はUber・DiDi・GO・LINEの4種類のアプリと無線に対応していると説明しています。新人とベテランを区別せずに配車すること、得意先の敷地内に専属の待機場所を設けていること、仕事のうち流し営業は半分程度であることも書かれています。募集要項に変動歩率(43〜60%)と基本給の額を数字で示しているのが特徴です。グループの廿日市カープタクシー(廿日市市)でも隔勤の募集があります。

つばめ交通|自社トレーニングセンターでの長めの研修

つばめ交通は1951年創業で、タクシーのほかハイヤー・バス・旅行などを手がける会社です。採用サイトでは、乗務員の99.4%が業界未経験から始めていること、自社の教育訓練部トレーニングセンターで二種免許・地理・機器操作・接遇を学び、入社後2か月以内のデビューを目指すことを説明しています。よくある質問では、電話で依頼を受けて迎えに行く「配車」が8割に及ぶとしています。週2回の無料の英会話教室や観光の勉強会があり、ハイヤー・バス乗務員・運行管理など社内の別の仕事への道も示されています。訪日客対応の仕事は観光タクシー・インバウンド対応の仕事で紹介しています。

広交タクシー|広交グループと協同チケット、選べる勤務体系

広交タクシーは広交グループのタクシー会社で、タクシー・ジャンボ・ハイヤー・中小型貸切バスの合計138台を保有しています。採用サイトでは、同社が広島のタクシーチケットでシェアNo.1と説明するマル協タクシーチケットに発足当初から加盟していること、JR駅のタクシー乗り場やホテル・商業施設の待機場所、電話による配車依頼があることを挙げ、「流し営業」「待機営業」「無線営業」「アプリ営業」を組み合わせる営業スタイルを説明しています。採用試験は筆記(約1時間)と自動車の実技で、運転記録証明書(5年分)の持参が必要です。大型二種免許を持つ人向けに観光バス乗務員の応募コースもあります。

広島第一交通|第一交通産業グループの募集サイト「WAY」

広島第一交通は第一交通産業グループの会社で、募集はグループのタクシードライバー求人サイト「WAY」に掲載されています。募集ページでは、配車システムと連動したカーナビ、防犯ボードや非常用スイッチ、ドライブレコーダー・車内防犯カメラの搭載、配車アプリ(DiDi・Uber)の導入を挙げています。同じ営業所でも昼勤・夜勤・隔日勤務で募集ページが分かれており、応募資格の書き方(普通免許取得後3年以上か1年以上か)や勤務時間が募集ごとに異なるため、応募するページの条件を確かめてください。グループ全体の情報は第一交通産業の会社ページにまとめています。

広島で会社を比べるときの確認項目

公表されている条件をそろえて比べるために、面接や説明会で次の点を確認しておくと判断しやすくなります。

  1. 給与保障の期間と数え始め:入社日からか乗務開始からか、月額か日額か、出勤日数の条件があるか。
  2. 勤務する営業所の地区:広島市域地区(広島交通圏)か、廿日市市の一部など地区の境目にあたる場所か。営業できる範囲と運賃が変わります。
  3. 拘束時間と休憩:「実働」か「拘束」か。休憩時間を足してそろえる。
  4. 休日の数え方:年間休日に明け休を含むか、1か月の乗務回数は何回か。
  5. 費用の負担:事故、アプリ手数料、クレジットカード手数料などに乗務員の負担があるか、上限はいくらか。
  6. 二種免許の費用:全額負担か条件付きか、一定期間内に退職した場合の返還の定めがあるか。

広島は運転者登録の際に試験がある「指定地域」で、広交タクシーの採用サイトでも、講習を修了して試験に合格するとタクシー運転者登録になると説明しています。試験の中身は地理試験廃止後のタクシー運転者の試験、会社の公的な評価や処分歴の調べ方はタクシー会社の選び方、二種免許の養成制度の比較は二種免許の養成制度で解説しています。

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出典・一次情報

本記事の数字と制度は、次の公表資料と各社の公式採用ページに基づいています(いずれも2026年10月14日閲覧)。

  • 国土交通省中国運輸局「準特定地域における適正と考えられる車両数について」(2026年8月31日公示第38号、同年9月30日改正) wwwtb.mlit.go.jp(PDF)
  • 国土交通省中国運輸局「広島県内におけるタクシー運賃改定要請のお知らせ」(2025年3月28日) wwwtb.mlit.go.jp(PDF)/「広島及び岡山県内のタクシー運賃の改定審査開始について」(2025年6月18日) 同(PDF)
  • 国土交通省中国運輸局「広島地区及び岡山地区のタクシー運賃改定について」(2025年10月28日) wwwtb.mlit.go.jp(PDF)/「広島市域地区のタクシー運賃改定について」(2025年11月6日) 同(PDF)
  • 国土交通省中国運輸局 公示「旅客の運賃の範囲の指定について」(広島交通圏ほか、2026年9月30日改正まで反映) wwwtb.mlit.go.jp(PDF)
  • 一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会「『令和7年賃金構造基本統計調査』によるタクシー運転者の現況」(令和8年5月、2026年10月6日付の訂正版【最新版】)第4表 taxi-japan.or.jp(PDF)
  • カープタクシー 採用情報 募集要項(隔日勤務) carp-taxi-saiyou.jp/昼日勤 同/夜日勤 同
  • つばめ交通 採用サイト(採用情報・仕事内容と教育体制・よくある質問) tsubame-job.jp
  • 広交タクシー 採用サイト 募集要項 hiroko-group.co.jp/働き方について 同/応募から実乗務まで 同/収入について 同
  • 第一交通産業グループ タクシードライバー求人サイト「WAY」 広島第一交通 上安営業所(正社員タクシードライバー) no1-taxi.saiyo-job.jp/府中営業所(隔日勤務) 同/サイトトップ recruit.way-taxi.net

掲載条件の変更について

各社の給与保障・勤務時間・応募資格は閲覧日時点の公式採用ページの記載です。営業所や勤務形態によって条件が異なる場合があり、予告なく変わることもあります。応募前に最新の募集要項と面接で確認してください。本記事は会社の順位付けを目的としたものではありません。